2019 Fiscal Year Research-status Report
建築設備の革新的設計法を実現する最適化アルゴリズムの開発
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19K23555
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
池田 伸太郎 東京理科大学, 工学部建築学科, 助教 (00843525)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 建築環境工学 / 建築設備工学 / 自動化 / 最適化 / 人工知能 / メタヒューリスティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は建築設備の設計時における実務的な課題を解決するために実施されている。2つの大テーマを有し、一つ目は設計時における設備機器の選択を自動化ならびに最適化する研究、二つ目は日々の運用を効率化するための自動制御に関する研究である。本研究の独創的な点として、上記2つをうまく統合し、ひとつの大きな最適化というテーマに昇華していることが挙げられる。 従来の研究では上記2つを別々に扱っていることが多いが、設計最適化という趣旨からは本質的に設計と運用を同時に考えなければならないことは従来から指摘されていた。しかし、計算負荷などの実際的な問題が障壁となり、上記の統合化は実現していなかったが、本研究では計算アルゴリズムを見直し、新たに提案することでその解決を図っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設計の最適化については従来考えられていなかった蓄エネルギー設備の運用最適化を含む設計最適化を実施した。蓄エネルギー設備が持つ長時間に亘る時間依存的な特性は、最適化問題に置き換えると操作変数の依存性を高めることに帰着する。これは一般に、最適化問題としての難易度が高くなる傾向にある。具体的には組合せ爆発が起きることで解くことが困難になるが、本研究では全探索ではなく多次元空間を形成する問題領域全体を効率的に探索するメタヒューリスティクスを利用している。これにより実際的な時間で準最適解を見つけることが可能になった。更に、各時刻断面の熱源機器運用についてはラグランジュの未定乗数法を適用した。これは研究代表者が以前に熱源分野での利用を提案した手法であり、本研究でこれまでのメタヒューリスティクスおよびラグランジュの未定乗数法を融合した点が新たな提案となる。 進捗としては概ね順調であるが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため年度末のいくつかの学会行事が開催されなかったことから、その参加費、旅費等に充てる予定であった分の予算を来年度に繰り越している点に注意されたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となる2020年度はすでに研究成果については目処が立っていることもあり、引き続き研究発表を行うと共に査読付国際ジャーナルへの投稿も予定している。
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Causes of Carryover |
本予算から支出する予定であった秋開催の学会に関して、交付の時期よりわずかに早いタイミングであったことから本予算から支出できなかったこと、加えて、年度末に開催される予定であった2件の学会大会が開催されなかったため、その分の参加費・旅費を次年度へ繰り越している。
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