2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on optimum operation method when combined with radiant panel and air conditioner by coupling of ES and CFD
Project/Area Number |
19K23559
|
Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 竜大 久留米工業大学, 工学部, 助教 (30849188)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 建築環境・設備 / 連成シミュレーション / 省エネルギー / 快適性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年住宅におけるエアコンによる対流式空調方式の課題として挙げられていた局所的な温度分布に対応し、室空間をムラ無く空調する放射空調の利用が増加傾向にある。しかし、放射空調のみでは吹き抜けなど連続した大空間には対応することが難しい。 そこで本研究は、放射と対流の混在する複雑な物理現象を精緻に予測する解析手法の開発し、エアコンと放射パネルの最適な運用方式を提案することを目的として行う。当該年度においては、以下の課題に取り組んだ。①数値流体解析を用いて空間への熱的な寄与率を事前に算出し、エネルギーシミュレーションに組み込むことで連続した複数ゾーンの非定常解析を可能とする熱分配法が開発されている。熱分配法において、寄与率の計算は対流による熱輸送を前提としており、放射が優位な設備を利用する際には数値流体解析で利用する境界条件の取り扱いに留意する必要がある。従って、エネルギーシミュレーション側で放射計算を行い設備機器による対流分の熱輸送を数値流体解析によって行う解析手法を構築した。数値流体解析の境界条件は放射空調のON/OFFで区分けを行い、投入熱量を与えない基準状態とした。対流式空調と放射空調の対流分の熱輸送を数値流体解析によって計算し、基準状態との偏差を対流分の寄与率とした。②実験住宅を対象としてエアコンと放射パネルが同時に稼働する条件において提案手法の精度検証を行い、妥当性を示した。③エアコンと放射パネルの運用方式をパラメータとしたケース検討を行い、快適と省エネを両立する運用方式を決定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた熱分配法の拡張による提案手法の理論の確立は完了しており、実大実験住宅を対象として実験データを元に精度検証を行っている。精度検証時の設定条件を元に調整パラメータを決定し、ケース検討を進めている。ケース検討では、快適と省エネを同時に満足する条件を探索している。主な条件としては、①対流式空調機の配置②パネルの枚数③各設備機器の投入熱量を想定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、研究を実行する。精度検証は若干の疑問が残るパラメータが存在するため、その調整を今後行う。ケース検討に関しては快適の評価指標として予測平均温冷感申告を用いるが、数値流体解析の解析結果をどのようにエネルギーシミュレーションに反映させるかについて検討を行った上で妥当性の高い計算結果を元に快適性の評価を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度で研究遂行に必要なライセンスなどは確保されている。成果の公表のために英文校正費用として用いる。また、研究実行に必要な消耗品、備品の購入も行う予定である。
|
Research Products
(1 results)