2019 Fiscal Year Research-status Report
マイクロピラーアレイを用いた単一細胞包埋ゲル微粒子の連続生成
Project/Area Number |
19K23585
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鳥取 直友 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (00840646)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロナノデバイス / 微粒子分離 / 流体工学 / 粒子処理 / 単一細胞 / ゲル微粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は以下を実施した. (1)ハイドロゲル粒子生成用マイクロ流路の作製:十字型マイクロ流路(幅100-200 μm,高さ100 μm)による液滴生成部とその下流に接続された支柱配列流路,および支柱配列流路内に異なる溶液の並行流を形成するための溶液導入用流路から構成されるゲル粒子生成用マイクロ流路を作製した.ネガ型フォトレジストに露光・現像して作製した微小凸型をシリコーン樹脂(PDMS)に転写し,PDMSを塗布したスライドガラスと酸素プラズマ処理により貼り合せることでマイクロ流路デバイスを形成した. (2)作製デバイスを用いたハイドロゲル粒子の生成 :上記のマイクロ流路を用い,ハイドロゲル粒子の連続生成を行った.分散相としてアルギン酸ナトリウム(Na-alginate)水溶液(3wt%),連続相として,界面活性剤を添加したコーン油を用いた.また, Na-alginate滴をゲル化する際の反応液には,カルシウムイオンを含む油中水型(W/O)エマルションを用いた.十字型マイクロ流路で生成された主滴(直径 ~100 μm)とサテライト滴(最大直径 ~30 μm)は,下流に連結した支柱配列流路へと流入した後,主滴は支柱配列流路内に形成したW/Oエマルション流内を斜行・横断し,流れ方向に対して左側の出口より回収された.一方,サテライト滴は,支柱配列流路内を流れ方向へと進み,主滴から分離され,流れ方向に対して右側の出口より回収された.作製したゲル粒子を光学顕微鏡により観察および測定した結果,サテライト滴が除去された,単分散な球状ゲル粒子であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲル粒子生成用マイクロ流路デバイスの作製,および作製したデバイスを用いたハイドロゲル粒子の生成に至るまで,順調に行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,単一細胞包埋ゲル粒子の連続生成,および得られた細胞包埋ゲル粒子の評価を行う.
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Causes of Carryover |
本年度に送液用ポンプの導入を予定していたが、当初の研究計画に変更があったため,所属研究室の既存の設備のみを利用し、本年度には購入しなかった。そのため次年度に,本年度購入しなかった送液用ポンプを購入する予定である.
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