2020 Fiscal Year Annual Research Report
Observation of spin dynamics by time-resolved coherent soft x-ray diffraction imaging
Project/Area Number |
19K23590
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 祐太 東北大学, 理学研究科, 助教 (40847232)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 時分割測定 / 磁気イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は磁性体中に誘起される磁気ダイナミクスの実空間イメージング手法の確立が目的であり、これに対応して以下の2つが成果がある。 i. フレネル回折を利用した実空間磁気イメージング手法の確立 集光素子を用いてX線を集光させ、集光点近傍に試料を置くことで、試料からフレネル回折によりX線が散乱される。このフレネル回折には、通常の回折現象(フランフォーファー回折)とは異なり、実空間情報が観測像に直接含まれている。この手法を、軟X線顕微鏡装置を用いて確立し、Co強磁性体薄膜における強磁性磁気ドメイン構造を、解析無しに可視化することにに成功した。 ii. 時分解磁気散乱測定手法の確立 放射光施設では、数十ピコ程度の幅を持つパルスX線が入射されるが、このパルスX線に同期したマスターオシレーション信号がマイクロ波として利用できる。このマイクロ波を位相回路により遅延し、逓倍をかけることで周波数変調を行い試料に入力する。このマイクロ波により誘起された強磁性共鳴現象をパルスX線により観測することが当初の目的であったが、シグナルとノイズ比の問題からこの手法では不十分であると判明した。そこで、シグナルジェネレータにより、マイクロ波の遅延位相を振動させ、その振動成分をパルスX線で観測できるようロックインアンプにより計測することで、時分解測定システムを構築した。このシステムを用いることで、FeNi合金中に誘起されたスピン振動の観測に成功した。
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