2019 Fiscal Year Research-status Report
Research and development of temperature and position detection and heating techniques for hyperthermia using magnetic particles
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19K23597
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
TON・THAT LOI 東北大学, 工学研究科, 助教 (90844499)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 磁気温熱療法 / 磁性微粒子 / 加熱技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では癌によって年間37万人以上の尊い命が失われ(死因順位第1位)、医療費は年間4兆円を超えており、その治療技術の向上が急がれる。本研究では、外科的手術が不可能な進行癌患者のQOLの向上のための温熱化学療法に向けた低侵襲温熱治療システムの構築及び性能向上を目指している。 令和元年度は高周波電源や冷却器等必要な装置を導入し、誘導加熱治療システムを開発した。それを用いて、低キュリー点を持つ感温磁性微粒子やMRI用肝臓造影剤リゾビスト等の発熱体の発熱効率を定量的に評価した。また、発熱体の温度情報を非侵襲的にモニタリングするために発熱体の透磁率(温度依存性)に応じて生じる周囲磁束の変化を測定するPickup coil(検出コイル)を電磁界解析結果より設計・試作も行った。そして、リアルタイムで検出コイルに生じる誘導起電力と発熱体の温度情報を測定するための自動計測プログラムをLabVIEWで開発した。さらに、深部加熱用パルス磁界の励磁回路をLTspice等で設計・シミュレーションし、その結果をもとにパルス励磁回路を試作し、現在はパルス磁界と正弦波磁界による発熱体の発熱効率を比較・検討している。温度検出精度を高めるために、3Dプリンタを導入し、磁場印加用コイル(加熱コイル)とPickup coilの位置や検出角度を正確に調整できる治具を設計・試作も行っている。 また、当該研究期間に得られた研究成果を基に、国内の学会(第58回日本生体医工学会大会、沖縄)、国外の学会(2019 Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials、Las Vegas)で発表し、論文も米国学会誌(AIP Advances)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い、正弦波磁界及びパルス磁界印加による二種類の加熱方式の治療システムを試作した。これらを用いた加熱実験により、発熱体が治療温度まで昇温されていることを確認できた。さらに、発熱体の発熱効率を定量的に評価し、発熱体の温度情報(予備実験)も測定することに成功した。依って、計画通りに進んだと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
パルス励磁技術は、低侵襲温熱治療法において新規性が高く、開発要素も多い。そのため最終年度は、引き続きパルス磁界の励磁回路をより最適化し、正弦波磁界と加熱実験を比較検討する。そして、発熱体の温度情報(検知電圧参照)を加熱電源へフィードバックすることにより、発熱体の定温加熱技術を構築する。これに伴い、発熱体の新規開発と、検知コイルの最適化もする予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染症の拡大に伴い、関連国内外学会や研究打ち合わせは中止や延期になった。そのため、当初計画で計上した旅費に未使用分が発生した。これを次年度の研究に必要な他の経費科目へ振り分け、本年度の研究開発を加速したい。
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Research Products
(13 results)