2020 Fiscal Year Annual Research Report
精緻かつ実用的な腎組織再構築のためのストローマ前駆細胞の誘導・維持・増殖法の開発
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19K23600
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 昌輝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (40843149)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 腎臓 / 前駆細胞 / ストローマ / 拡大培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腎臓の再生や精緻なオルガノイド構築に不可欠な基礎技術である、幹細胞からの腎ストローマ前駆細胞の誘導法、及び前駆細胞の状態での維持・増殖法の開発である。 そこで、腎ストローマ前駆細胞で発現するFoxd1に着目し、Foxd1-GFP mES細胞及びhiPS細胞の作製を計画し、共同で樹立した。前者はFoxd1-GFPマウスから樹立し、後者はCRISPR-Cas9システムを用いてFoxd1遺伝子の直下にGFPをノックインし作成した。これらを用いることで、分化結果から誘導条件へのフィードバックが容易になり、かつ分化させた細胞の単離と機能評価が可能となった。まずはwild typeのhiPS細胞を用い、既報の腎オルガノイド分化誘導法においてFoxd1他腎 ストローママーカーの発現上昇をPCRで観測することに成功し、樹立したFoxd1-GFP幹細胞を使用した分化誘導実験を行う準備を整えた。 一方、上記と並行し、Foxd1-GFPマウスを用いてストローマ前駆細胞を単離し、維持・増幅法の開発を試た。単離直後と培養後の細胞の遺伝子発現をRNAseqにより網羅的に解析し、発現変動のあった遺伝子群から変動パスウェイを絞り込み、変動を抑える因子の候補を選別した。同定した因子を用い、遺伝子発現パターンをほとんど変化させることなく増殖率を大幅に向上させることに成功した。さらに、維持・増幅された細胞の機能評価系の確立にも取り組んた。ストローマ前駆細胞を含むアグリゲートと含まないアグリゲートでの自己組織化の違いが明確になる培養条件を見出し、機能評価系の確立に成功した。 研究成果の対外発表等としては、共同研究を進めている海外研究者と共著で本研究に直接関連する内容についてのレビューおよび原著論文をそれぞれ投稿、掲載に至っている。また、本研究のコアとなる部分についても投稿準備中である。
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Research Products
(3 results)