2020 Fiscal Year Research-status Report
心磁図データの三次元シミュレーション最適平面投影による期外収縮起源同定法の開発
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19K23616
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
孫 文旭 近畿大学, 工学部, 博士研究員 (40834065)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 心磁図 / 不整脈起源同定 / シミュレーション / SQUID |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、心磁図が持つ特性である媒質の影響を受けずに高感度かつ局所情報を提供できることや非接触の状態で計測できるという利点を生かし、より高精度で簡便な起源部位同定法を開発することにより、心筋焼灼治療の成績向上に寄与するものである。 前年度は、正面と背面の心磁場を利用して、信号源の深さを正確に推定する方法を開発した。 今年度は、心磁図データの勾配を計算し、二次元電流アロー図に変換して、それを最適投影面に中心投影法で投影像を作成し、起源部位の同定を行い、同定精度を評価した。具体的には、心室モデルを用いて、心内膜と心外膜に三角形メッシュを生成し、各メッシュ要素を刺激することで、ビオーサバールの式で各計測面(体表面の正面、背面)における心磁図データを算出した。磁場は距離の依存性があるため、磁場強度情報を用いて、最適投影面を確立できた。また、最適投影面に二次元電流密度分布を求めた。その最強電流源の位置情報を三次元可視化できた。また、起源部位の同定だけではなく、心臓の脱分極過程における興奮伝播経路も三次元可視化できた。さらに、ノイズを加えて、信号源の推定制度を評価した。 こうした手法は、高いノイズレベル環境においても従来の逆問題解析より、高精度が得られた。提案した手法は逆問題を解析する必要はなく、数学モデルによる影響が少ない。心磁図のメリットを生かし、カテーテル術前に期外収縮の起源部位を非侵襲的に同定でき、心疾患の診断に貢献する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ拡大の影響で臨床の心磁図データの収集はまだ終わっていません。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データを解析することで、臨床応用への妥当性を検討する。具体的には、本研究開発した手法と心電図のアルゴリズムを、実際のアブレーションの結果をアウトカムとしたROC解析で比較する。また、心電図アルゴリズムで同定できなかった症例を本手法で同定できるかどうかも検討する。
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Causes of Carryover |
論文投稿と学会参加などに使う
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Research Products
(2 results)