2020 Fiscal Year Annual Research Report
Controlling Chirality of Crystals and CPL Property Based on Luminescent Amphidynamic Crystals
Project/Area Number |
19K23618
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
陳 旻究 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (90827396)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | Molecular Rotor / Luminescent Crystal |
Outline of Annual Research Achievements |
本採択研究課題では、高い結晶性を持ちながら、その構造の一部で速い回転が見られるアンフィダイナミック結晶を用いて、外部電場や温度変化に対する外部刺激応答性を用いて結晶のキラリティーを制御するとともに、金(I)錯体の発光特性をハイブリッドすることで固体円偏光発光(CPL)が外部電場により制御可能な新規発光機能の開発を目的とした。具体的には、我々が開発した金(I)錯体の回転部位に高いダイポールを持つ部位を導入することで、1. 外部電場に応答して回転部位のダイナミックスが結晶中で制御される新規な発光性アンフィダイナミック結晶を開発し、2. その外部電場応答性を利用して結晶のキラリティーを結晶中で直接制御に挑戦した。更に、その結晶のキラリティーが切り替わる際に結晶の発光性、特にCPL特性も変化すると予想され、その観測を行なった。 1.に該当する金錯体分子ローターを調査する中で、その回転部位にダイポールをもたらした2,3-difluorophenyleneを用いたアンフィダイナミック結晶が、193から298 Kの温度領域で回転部位の回転数が10 kHzから1.35 MHzに分布していることが2H-固体NMR測定により明らかとなり、その回転数変化に伴う発光色の変化および結晶格子の異方的膨張・伸縮が観察された。また、この結晶は激しい温度変化により結晶がジャンプするなど動的な挙動を示す。このことから「数ナノスケールにおける分子の回転運動」が結晶中で起きることで「マクロなスケールの力学的特性」を生み出すという興味深い知見を得ることができた。
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