2020 Fiscal Year Annual Research Report
Super Activated Cation Chemistry Based on Anionic Boron Cluster and New Function
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19K23626
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北沢 裕 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 准教授(特定雇用) (10847859)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | アニオン性ホウ素クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、触媒、イオン伝導材料、不安定活性種の単離解析を志向し、アニオン性ホウ素クラスターを利用した高活性なカチオン種の発生法の開拓を目的とする。具体的には、極めて低い塩基性、求核性を有するホウ素クラスターであるカルボランアニオンに着目し、新しいタイプの分子形状・構造・電子状態制御、イオン性分子集合体の設計を行う。 最終年度である本年度は、カルボランアニオン 1)炭素頂点へのヘテロ元素導入反応、2)ホウ素頂点への芳香族導入反応 3)有機リンカー導入による有機金属配位高分子構造の構築に取り組んだ。1) では銅試薬を利用した酸化還元反応を鍵として、これまでの極性反応では困難であった酸素、窒素の直接導入を初めて達成した。2)では超原子化ヨウ素結合を利用することで、ホウ素クラスターが転位基となる新しい形式の転位反応を見出した。本反応は 12 位ホウ素頂点への高選択的な芳香族導入法で、独自の新規分子設計が可能になった。3) ではカルボキシル基をリンカーとすることで、多様な配位高分子構造が得られ、カルボランアニオン利用した規則構造の新規構築法を開発できた。また、イオン伝導材料への展開として、マグネシウムイオン電解質の開発にも取り組んだ。12 位ホウ素頂点のハロゲン化による、溶解性、化学的安定性の向上が鍵となり、アニオン性ホウ素クラスターとしてほぼ最高の移動度を得ることができた。今後は、今回得られた分子・材料設計指針をもとに触媒反応、エネルギー材料へのさらなる展開を行いたい。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Boron-Vertex Modification of Carba-closo-dodecaborate for High- Performance Magnesium-Ion Battery Electrolyt2021
Author(s)
Mamoru Watanabe, Junichiro Kanazawa, Tomofumi Hamamura, Takumi Shimokawa, Kazunori Miyamoto, Mitsuhiro Hibino, Kensuke Nakura, Yuu Inatomi, Yu Kitazawa, and Masanobu Uchiyama
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Journal Title
Material, Advances
Volume: 3
Pages: 937-941
DOI
Peer Reviewed