2020 Fiscal Year Annual Research Report
神経系ガングリオシドが持つ生物学的機能の分子基盤の解明
Project/Area Number |
19K23627
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
河村 奈緒子 岐阜大学, 高等研究院, 特任助教 (80849711)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ガングリオシド / シアル酸 / 脂質ラフト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、神経細胞上に存在するガングリオシドを標的に、その化学合成法の開発、さらに分子プローブを利用した機能理解を目的としている。最終年度は、当初の計画に基づいて、分子プローブの化学合成と1分子イメージングに注力し、以下の成果を得た。 1. シアル酸三量体ユニットの合成と新規ガングリオシド合成法の開発 神経系ガングリオシドの中でもc系列ガングリオシドが有するシアル酸三量体ユニットの合成に取り組んだ。ガラクトースユニットを起点とし、二環性シアル酸ユニットを三度導入することにより、シアル酸三量体を収率よく構築した。その後、架橋部の開裂を温和な条件で高収率にて行い、種々の変換を経て鍵となるシアル酸三量体ユニットの合成を達成した。続いて、糖脂質の導入反応を試みたが、改善の余地を残す結果となった。そこで、新たなガングリオシド合成法として、糖脂質構造にシアル酸を直接的に導入する手法を試みた。その結果、モデル実験において、極めて高収率にてガングリオシド骨格の構築が可能であることを見出し、ガングリオシドの新規合成法を確立した。 2.神経系ガングリオシドの分子プローブの開発と1分子イメージング 糖鎖のシアル酸に蛍光色素を有するb系列ガングリオシドプローブ2種類を合成した。細胞膜上での機能評価により、これらのプローブが天然と同様の性質を示すことを確認した。続いて、1分子イメージングにより、b系列ガングリオシドの生細胞上での挙動を捉えることに成功した。
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[Journal Article] Homeostatic and pathogenic roles of GM3 ganglioside molecular species in TLR4 signaling in obesity2020
Author(s)
H. Kanoh, T. Nitta, S. Go, K. Inamori, L. Veillon, W. Nihei, M. Fujii, K. Kabayama, A. Shimoyama, K. Fukase, U. Ohto, T. Shimizu, T. Watanabe, H. Shindo, S. Aoki, K. Sato, M. Nagasaki, Y. Yatomi, N Komura, H. Ando, H. Ishida, M. Kiso et al.
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Journal Title
The EMBO Journal
Volume: 39
Pages: e101732
DOI
Peer Reviewed
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