2020 Fiscal Year Annual Research Report
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19K23634
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| Research Institution | Yokohama City University |
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Principal Investigator |
服部 伸吾 横浜市立大学, 理学部, 助教 (90846726)
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2019-08-30 – 2021-03-31
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| Keywords | キラリティ / 外部刺激応答性 / 準安定状態 / 金属錯体 / 高調波光散乱 / 発光 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外部刺激により誘起される分子キラリティに基づく新規キラル化学の開拓を目的とし、(1)刺激応答性キラル金属錯体の創製と分光学的性質の評価、(2)刺激応答機構の解明、(3)刺激応答性に基づく新規不斉合成法の開発を行う。本年度は、(1)から(3)までの研究について、以下の成果を得た。
1. 機械的回転によるキラリティ制御：高調波光散乱測定法を用いて、スターラー回転によるポルフィリンJ会合体のキラル組織化過程のその場観測に初めて成功した。回転中のポルフィリンJ会合体の高調波光散乱の強度や分極率から、回転中のポルフィリンJ会合体の超分子キラル構造を提唱し、回転停止後のポルフィリンJ会合体の高調波光散乱の強度の減衰や分極率の変化から、キラル組織化・解離機構を提唱した。これより、高調波光散乱測定法が外部刺激下におけるキラル組織化追跡手法として有用であるという新たな視点を与えた。本成果は、J.Phys.Chem.Bに掲載された。
2. 準安定状態を有するキラル白金錯体の創製：キラル白金錯体を合成し、固体における分光学的性質を明らかとした。合成したキラル白金錯体は、溶解させた溶媒の種類によって固体化させた際の光吸収特性・円偏光二色性が変化することが明らかとなった。これより、１種類のキラル分子から、溶媒の違いによって超分子キラリティの制御が可能であるという新たな視点を与えた。本成果を国内学会にて口頭発表した。
3. 外部刺激によるイリジウム錯体の発光色制御：励起波長により異なる発光色を示すイリジウム錯体を合成し、その発光機構を明らかとした。本成果は、Dalton Trans.に掲載された。
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