2019 Fiscal Year Research-status Report
植物の抗ウイルス免疫誘導時に働くウイルス増殖阻害実行因子に関する研究
Project/Area Number |
19K23660
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 哲也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (00809874)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 植物ウイルス / 抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物はウイルス感染を抑えるために様々な抵抗性システムを有している。抵抗性システムの一つとして、優性抵抗性遺伝子による抵抗性が挙げられるが、その分子機構、特に抵抗性経路の最下流でウイルス増殖が阻害される機構には不明な点が多い。本研究では、培養細胞由来抽出液を用いた解析系を利用することにより、優性抵抗性においてウイルス増殖阻害が実行されるメカニズムの解明を試みる。 抵抗性活性を有する細胞抽出液を得る目的で、植物ウイルスに対するレセプター型抵抗性遺伝子および当該遺伝子により認識されるウイルス因子を形質転換した植物培養細胞ラインの確立を試みたが、抵抗性遺伝子の一過的な発現には成功したものの、安定した培養細胞ラインの確立には至らなかった。そこで、培養細胞および培養細胞由来抽出液での安定した解析の実績のある非レセプター型ウイルス抵抗性遺伝子JAX1を利用した解析を試みた。JAX1はウイルス複製酵素を標的とし、直接的にウイルス複製阻害を引き起こす実行因子であるが、その作用機構の全貌は明らかでない。JAX1の各種変異体を作出しウイルス増殖阻害活性を調べたところ、JAX1の機能に重要な領域およびアミノ酸残基を複数見出すことに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
JAX1の機能に重要な領域およびアミノ酸残基を見出すことには成功したものの、計画していた形質転換培養細胞ラインの確立およびその抽出液を用いた解析には至らなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究実施機関の変更に伴い、研究対象とするウイルス抵抗性機構をRNAサイレンシングなどの優性抵抗性以外にも広げ、様々な抵抗性システムにおける抵抗性の実体に関する解析を試みる。また、培養細胞および培養細胞由来抽出液だけではなく、植物体を使用した解析にも取り組む。
|
Causes of Carryover |
本年度は形質転換培養細胞を作出しそれに由来する抽出液を利用した生化学的解析等を行う予定であったが、当該細胞ラインの構築に至らなかったため。
|
-
-
-
-
[Presentation] Counter for the epidemics of potexviruses - Toward the eradication of pepino mosaic virus -2019
Author(s)
Yamaji Yasuyuki, Okano Yukari, Neriya Yutaro, Hashimoto Masayoshi, Yusa Akira, Yoshida Tetsuya, Hatanaka Tadashi, Narusaka Mari, Narusaka Yoshihiro, Maejima Kensaku, Namba Shigetou
Organizer
The 10th International Conference of Clinical Plant Science
Int'l Joint Research
-