2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K23664
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高村 映一郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 助教 (30843015)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | バイオ電池 / 酸化還元酵素 / アノード / 直接電子移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではバイオ電池用電極触媒として期待される長期安定を有する超好熱性アーキア由来脱水素酵素表面へメディエータを修飾することで、電極との電子授受を行う部位を人工的に付与し、長期安定性を有するが直接電子移動が不可能な脱水素酵素をあたかも電極と直接電子授受可能な酸化還元酵素として振舞うように改変することを目的とする。酸化還元部位を1個のみ有する酸化還元酵素の表面に対し、酵素分子の立体構造情報を基に、酸化還元部位と電極の間で電子授受が最適となる位置に酵素分子表面に導入したアミノ酸残基の側鎖官能基を用いてメディエータを修飾する。メディエータを修飾した酵素分子の酵素活性および電極触媒反応を評価することで、メディエータ修飾による酵素の触媒挙動への影響を明らかにする。 2019年度は、酵素表面に複数存在するアミノ酸残基に対してメディエータを修飾し、メディエータ修飾酵素の触媒活性等の諸性質評価、メディエータ修飾酵素を修飾した電極の電極触媒反応評価を行った。その結果、酵素の諸性質(各安定性、触媒活性)に影響を与えることなく電極との直接電子授受が可能になったことが確認された。また、メディエータ修飾酵素を修飾した電極は24時間の連続測定後も50%以上の電流値を示した。今後、酵素表面に修飾されたメディエータの中で電子伝達に関与するメディエータを明らかにし、酵素から電極への電子移動がより効率的となる部位への変異導入及びメディエータの修飾を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酵素へ人工的に酸化還元部位(メディエータ)を付与することで電極との直接電子授受可能な酵素を創製し、電子移動経路を最適化することで電極触媒活性の向上を目的としている。これまでに、酵素表面に元来存在するアミノ酸へメディエータを結合させることにより、電極との直接電子授受可能な酵素を作製できており、申請書の計画書通りに研究を進めることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は酵素に対してメディエータが結合できなくなる変異を導入することで、電子移動に関与するアミノ酸残基を特定する。得られた結果と酵素の構造情報から、酵素-電極間の電子移動がより最適となる酵素表面部位へ変異を導入し、メディエータ修飾変異酵素の長期安定性への影響等の諸性質評価、電極触媒反応評価を行う予定である。
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