2021 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエステル合成微生物における3HBオリゴマー分泌の機構解明
Project/Area Number |
19K23669
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
後藤 早希 東京農業大学, 生命科学部, 研究員 (70845651)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 3HBオリゴマー / 3-ヒドロキシブタン酸 / ポリエステル合成微生物 / Bacillus / 分泌生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Bacillus megateriumにおける3-ヒドロキシブタン酸(3HB)オリゴマー生産の機構を解明することを目的としている。前年度までの研究において、B. megaterium NBRC 15308のオリゴマー生産の経時的変化を分析すると、培養前半に蓄積したポリマーのP(3HB)が、培養後半に減少し、3-20量体のオリゴマーの分泌が確認された。さらに、RT-PCRにより、“esterase, PHB depolymerase family protein” と予測された3つの遺伝子は、オリゴマー生産時に転写されていた。そのため、令和三年度では分解酵素に着目し、大腸菌に導入して、in vivoにおける分解実験を行った。B. megaterium NBRC 15308の推定された3つの分解酵素のうち、1つは報告されているB. megaterium N-18-25-9株の細胞外分解酵素と95%の相同性を示した。細胞内において、P(3HB)がオリゴマーまで分解されていると考えられたため、他2つの推定分解酵素遺伝子について、分解酵素としての機能を確認した。P(3HB)合成関連酵素遺伝子とともに、2つの推定分解酵素遺伝子をそれぞれ導入した組換え株を作製し、培養後、P(3HB)蓄積量とオリゴマー生産量を調べた。その結果、コントロールとしてP(3HB)合成関連酵素遺伝子のみを導入した大腸菌はP(3HB)を6.58 g/L蓄積したが、分解酵素遺伝子を導入した株は、それぞれP(3HB)量が減少した(1.27および1.87 g/L)。一方で、コントロールでは、オリゴマーがほぼ生産されなかったが、分解酵素遺伝子を導入した株は、オリゴマー生産量が増加した(4.55および1.42 g/L)。したがって、この2つの分解酵素はオリゴマーの生産に関連していると考えられた。
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Research Products
(1 results)