2019 Fiscal Year Research-status Report
Study of vegetation transition on revegetated slopes for the evaluation of slope vegetation restoration and its process
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19K23680
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
小宅 由似 人間環境大学, 人間環境学部, 助教 (30846176)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 法面緑化 / 植生評価 / 群落構造 / 植生の変遷 |
Outline of Annual Research Achievements |
平地造成の副産物として出現する人工的斜面である法面において、省コストな表土安定工として緑化が実施されてきた。近年は生態系保護に関する社会的要請の高まりに伴い、植生回復も目的とするようになってきた一方で、現在の評価基準は初期の植被率や枯死率のみであり、植生回復評価のための新たな指標策定が急務である。本研究では植生回復の過程をも評価しうる基準として法面植生の経年による変遷に着目し、これに関する知見を蓄積することを目的とする。 造成年と地域が異なる高速道路2路線の法面を対象として、毎木調査、Braun-Blanquet法による植生調査及び土壌貫入試験を実施し、過去に実施された調査結果と合わせて対象法面における植生及び土壌の変遷を明らかにする。また、これまでの研究で明らかにした高速道路1路線における植生の変遷と情報の統合・整理を行い、特に主要構成種、垂直構造、土壌物理性の変遷について情報の蓄積及び考察を行う。 2019年度には調査地の決定を目的として九州自動車道及び東名高速道路の法面の見学を実施した。両路線とも道路の拡幅や改変の影響により、本研究において調査可能と判断される法面は極めて少ないことが明らかになった。 九州自動車道における先行研究での調査地点の特定は不可能と判断されたため、調査地点を可能な限り多く確保した上で、クロノシーケンスによる植生変遷の推定を行うこととした。東名高速道路については、先行研究における調査地点を特定することができたため、先行研究と同地点での植生遷移の追跡を予定している。 以上の通り調査地点の候補を決定できたため、現在は法面立ち入りにかかる手続きを進めている。2020年度は手続きの完了、及び新型コロナウイルス感染症流行に伴う県をまたいだ移動制限が解除され次第、現地調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
九州自動車道における先行研究(亀山 1980)での調査地点の特定の試行に時間を要し、調査にかかる法面立ち入りの申請手続きが遅れている。最終的に調査地点の特定は困難と判断され、先行研究の既往論文より読み取ることができる調査地の設定条件に従い新規に調査地点を設定した。 東名高速道路については、先行調査の報告書(井手ら 1976)の入手に時間を要したものの、及び当時調査に携わった方の協力を得て、調査地点を特定することができた。 以上の理由により法面立ち入りにかかる申請が遅れているものの、現時点では新型コロナウイルス感染症流行の影響を除けば夏季・秋季中に調査を完了できる見込みであるため、進捗状況を「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
先述の通り九州自動車道においては直接植生遷移を追うことが困難となったため、先行研究の記述に従いキロポスト整数値の地点を抽出し、このうち積極的な植生改変が行われていないと判断される法面を調査対象とし、可能な限り多くの地点において植生調査を行うこととする。得られた調査結果は種組成に基づいたクラスター分析によりグルーピングを実施した上で、先行研究(亀山 1980)の調査結果との成立植生や立地環境(法面向き等)の類似性に基づき整理し、クロノシーケンスの手法で植生の変遷を推定する。 一方で東名高速道路における先行調査地点については、当時の調査報告書(井手ら 1976)より特定を完了した。こちらについては予定通り、先行調査と同地点の法面において直接的に植生遷移を追跡する。 2019年度中に調査の着手に至らなかったため、冬季に予定していた土壌貫入試験を夏季の植生調査時にあわせて実施し、2020年中の調査完了を目指す。 現在は法面立ち入りにかかる手続きを進めており、立ち入り手続きの完了、および新型コロナウイルス感染症流行に伴う県境をまたいだ移動の制限が解除され次第、両路線において2020年夏季に現地調査を実施する。 調査結果の中間報告として、2020年秋季に関連学会における研究発表を計画している。更に、2020年度末には本研究の論文投稿準備の完了を目指している。
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