2020 Fiscal Year Annual Research Report
マダイをモデルとした養殖魚の育種-管理-保全に利用可能な高感度個体識別システム
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19K23687
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
澤山 英太郎 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (70846071)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | マダイ / 一塩基多型 / 個体識別 / 次世代シーケンサー / ハイスループット |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、バイオインフォマティクス解析から絞り込んだ255個のSNPを増幅するプライマーを設計した。プライマーの設計はDNA解析ソフトであるGeneious Primeに実装されているPrimer3を用い、Tmが60℃になるように設計し、ゲノム配列中にoff-target配列が認められたプライマーは以降の解析から除外した。また、表現型を評価するためのプライマーとして、代表者が単離した形態異常原因遺伝子の一塩基多型を追加し、最終的に、合計249対のプライマーセットを設計することができた。また、各プライマーの3’末端には次世代シーケンスに用いるためのNexteraアダプター配列を付与した。 設計したプライマーをプライマー合成受託会社へ発注し、50nMの濃度に調整されたプライマーを得た。それぞれのプライマーはフォワードとリバースに分け、等量の容量を混合した。そのため、各プライマーの濃度は0.2nM/uLとなった。このプライマー混合物を用い、PCR条件の検討を行った。PCRにはマルチプレックスPCRに最適化されたDNAポリメラーゼ(Takara Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2)を用いた。プライマー数が多いため、通常よりも2倍量のポリメラーゼを加え、60℃の伸長反応を4分間に設定した2 step PCRを実施した。天然採集個体を用いて本マルチプレックス PCRを実施したところ良好な増幅が確認され、マルチプレックスPCRが適切に行われていることが確認された。 同時に、MiSeqによる多検体解析系の立ち上げを実施した。ミトコンドリアDNAの調節領域を対象としたプライマーで多検体を同時にシーケンスを行ったところ、今回設計したインデックスプライマーにより最大384個体を解析できることが証明された。今後、同システムを用い、上記SNPの解析を行う予定である。
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