2020 Fiscal Year Annual Research Report
一分子蛍光イメージングを用いたヒトDNA複製開始因子の動態解明
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19K23735
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
伊藤 優志 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 特別研究員(PD) (20847206)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ヌクレオソーム / クロマチン / 一分子蛍光イメージング / 蛍光顕微鏡 / 転写 / DNA複製 / オーキシン / 液液相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、一分子蛍光顕微鏡を用いてヌクレオソームの動きを追跡した。具体的には、Haloタグを修飾したヒストンタンパク質H2Bを持つ細胞を作製し、その細胞に蛍光色素を加えることで、ヌクレオソーム一分子を蛍光で可視化した。 RNAの転写がヌクレオソームの運動に与える影響を検証するために、転写に関わるメディエータータンパク質複合体を分解した。初めに、ヒトHCT116細胞を使用し、オーキシンという薬剤に応答してメディエータータンパク質を分解するシステムを持つ細胞を作製した。その細胞を使用し、メディエータータンパク質の一つであるMED14を分解したところ、ヌクレオソームの動きがわずかに増加した。しかし、その増加幅は、転写阻害剤を使用した実験のものよりも小さかった。この結果から、クロマチンの架橋に対するメディエータータンパク質複合体の寄与は小さいということが示唆された。一方、HCT116細胞は、核のサイズに対して占める核小体の割合が大きいために、ヌクレオソームの動きの変化が小さかった可能性も考えられた。そのため、現在、別の細胞であるヒトDLD-1細胞を使用し、メディエータータンパク質を分解するシステムを持つ細胞を作製している。また、DLD-1細胞においても、転写阻害剤で細胞を処理したり、RNAポリメラーゼを分解したりすることで、転写が阻害されてヌクレオソームの動きが顕著に増加することを確認した。
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