2020 Fiscal Year Research-status Report
侵害刺激を学習・経験することに起因する慢性疼痛のメカニズムの解明
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19K23780
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 雪子 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師 (90548083)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 条件づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
強い痛み刺激を繰り返し与えると、パブロフの条件付のようにconditioned nociceptive responseが成立する。条件付が成立したマウスは、「痛みを与えられた環境」にさらすだけで強い痛み刺激を与えなくてもlickingやbiting等の「痛み様行動」を示す。近年、conditioned nociceptive painは難治性の慢性疼痛の一因ではないかと考えられ始めているが、そのメカニズムについては全くわかっていない。我々は、conditioned nociceptive painと心的外傷性ストレス障害(PTSD)の発生メカニズムが類似していることに着目した。いずれも条件づけの消去学習が成立すれば症状が回復することが期待される。そこで恐怖記憶の消去学習に必須でありPTSDの治療薬としての可能性が考えられる化合物にに注目した。申請者は近年、その化合物がconditioned nociceptive responseに対し、非常に強い鎮痛効果を示すことを明らかにした。さらに慢性疼痛モデルラットのmechanical thresholdの回復も認められた。本研究は、難治性の慢性疼痛のメカニズムの解明、および効果的な治療薬の開発に繋がる可能性が大いにある。そこで我々は、conditioned nociceptive responseに関与する部位について検討を行い、そのメカニズムについて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のための動物使用数の制限などにより、若干計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1年期間を延長していただけるため、その間に予定通りに進捗する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、動物の飼育数が減ったため予定通りに実験遂行することができなかった。延長させていただいたので、遅れていた実験を次年度に実行する。
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