2019 Fiscal Year Research-status Report
メルケル細胞-神経複合体の機能的特性の研究-痛みや痒みとの関連について
Project/Area Number |
19K23784
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
神田 浩里 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (80842088)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | メルケル細胞 / 疼痛 / 痒み |
Outline of Annual Research Achievements |
メルケル細胞は皮膚に局在し、主に触覚のセンサーとして役割を担っている。これまでこのメルケル細胞の触覚受容に関する生理学的なメカニズムに関し明らかとしてきた。本研究課題では、これらメルケル細胞と疼痛や痒み受容への関連性に着目し研究を行う。 メルケル細胞は感覚神経線維とシナプスを構成しており、これらメルケル細胞に投射する神経の特性について、免疫染組織化学法を用いて検証を行た。具体的には正常動物のひげ部毛包内に局在するメルケル細胞と神経細胞の各種マーカーであるNF200やPeripherin、SP、CGRP、TH等の抗体を用いて2重染色法を行い確認した。これにより、毛包内におけるメルケル細胞を支配する神経線維の特徴が明らかとなった。 また、メルケル細胞と疼痛や痒みへの関連性を明らかとするため、炎症モデルであるCFAモデルを作成した。現在、炎症時におけるメルケル細胞自体の変化や神経線維の特性の変化に関し、免疫組織化学法を用い解析を行っている。また、RT-PCR法を用い、炎症時におけるメルケル細胞内で発現が変化する物質に関しても解析を行っている。分子生物学的な解析に併せ、メルケル細胞で安定した法を行うためのPressure clamp systemを導入し、Ex vivoメルケル標本を用いたパッチクランプ法の確立を行った。 令和2年度は、引き続き病態モデルにおけるメルケル細胞の変化の解析を進める予定である。また、形態学的な解析に併せ、電気生理学的にも解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は現在予定通り進展しており、令和元年度の計画であった組織学的解析は概ね順調に進んでいる。また、令和2年度に行う予定であるパッチクランプ法のセットアップが完了し、現在実験を行う事が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度中にはすべての解析を終了し、データの解析を行う。また、研究が順調に進展次第、学会発表、論文作成・投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品として計上してた試薬に関して代用品があったため、年度内に早急に購入する必要がなかったため。次年度において消耗品の購入のために使用する予定である。
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