2020 Fiscal Year Annual Research Report
Screening targets modify the gain of seeding activity of TDP-43
Project/Area Number |
19K23785
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
田中 良法 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (00747933)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | progranulin / autophagy / lysosome / autolysosome |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーは前頭側頭葉変性症や筋萎縮性側索硬化症の病因となる核タンパク質TDP-43の細胞質内蓄積を抑制する機構であることが知られている。遺伝子変異によるタンパク質の産生低下によって前頭側頭葉変性症の原因となるプログラニュリン(PGRN)と相互作用のある因子の解析から、細胞内分解機構であるオートファジー・リソソーム系におけるPGRNの役割が示唆されたため、PGRNによるオートファジー・リソソーム系の制御機構について解析した。PGRNの発現を抑制すると、リソソームの数が増加するにも関わらず、オートリソソーム形成は抑制された。したがって、PGRNはオートファゴソームとリソソームの融合を制御していることが示唆された。空胞形成に伴いオートファゴソームとリソソームの融合を阻害する薬物Aに注目し、PGRNが薬物Aによって誘導される空胞形成やオートファゴソーム蓄積に与える影響を検討した。PGRNの発現を抑制すると、薬物Aによる空胞形成とオートファゴソーム蓄積が抑制された。それどころか、PGRNの発現を抑制した細胞では、薬物Aの投与によって、オートリソソーム形成が促進した。逆に、PGRNの過剰発現によって、薬物Aによる空胞形成とオートファゴソーム蓄積は促進した。薬物Aによって形成される空胞は、オートファゴソームとリソソームマーカー陽性で、オートファジー依存的に形成された。さらに、薬物Aによって形成される空胞は、アミノ酸飢餓条件下で除去されたことから、巨大なオートリソソームであることが示唆された。以上の結果から、PGRNはオートリソソーム形成の制御を介して、TDP-43蓄積を抑制していることが示唆された。
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