2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of the novel HIV eradication method
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19K23802
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
立石 大 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任助教 (50846011)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | HIV / Gag蛋白質 / L-HIPPO / Lock in and apoptosis |
Outline of Annual Research Achievements |
今日のエイズウイルス(HIV)感染症治療の最終目標は、体内からの潜伏感染細胞の完全除去である。近年、新しい治療法として、潜伏感染細胞を排除することを目的としたKick and Kill療法が行われているがKillの段階が十分でない。研究代表者らは、ウイルス放出を阻害する非天然型イノシトールリン脂質誘導体L-HIPPOを創製し、Killの新たな方法としてL-HIPPOを用いた細胞死誘導法“Lock-in and apoptosis”法を開発した。本研究ではこの本方法“Lock-in and apoptosis”を用い、Kick and Kill療法を発展させて臨床使用を目指す。実際にLock-in and apoptosisを臨床へ発展させるために、以下の点について検討した。 ①Gag-MAドメインとL-HIPPOのX線結晶構造解析 精製したMA蛋白質を用いてL-HIPPOとの結晶化条件を蒸気拡散法にて検討を行なった結果、1条件で結晶を得ることに成功したが、MAドメイン単独の結晶である事が判明した。再度L-HIPPOとの結晶化スクリーニングを試みたが、L-HIPPOとMA蛋白質との結晶は確認されなかった。そこで、新たにミリストイル基を修飾したMA蛋白質とL-HIPPOとの結晶化をLCP法にて評価することとした。ミリストイル化MA蛋白質は、前回精製したMA蛋白質と同様の方法で行ない、現在結晶化条件を検討中である。 ②細胞導入効率の改善を目指したプロドラッグ体L-HIPPOの合成 L-HIPPOのプロドラッグ基として、ブチリルオキシメチル基の導入を行なった。L-HIPPOには11箇所導入場所があり、現在の条件では、10箇所プロドラッグ基が導入された化合物が得られている。1箇所反応性が低いため、反応条件を改善しL-HIPPOのプロドラッグ体の合成を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①MAドメインとL-HIPPOのX線結晶構造解析について 精製したMA蛋白質を用いてL-HIPPOとの結晶化条件を蒸気拡散法にて検討を行なった結果、1条件で結晶を得ることに成功したが、MAドメイン単独の結晶である事が判明した。再度L-HIPPOとの結晶化スクリーニングを試みたが、L-HIPPOとMA蛋白質との結晶は確認されなかった。そこで、新たにミリストイル基を修飾したMA蛋白質とL-HIPPOとの結晶化をLCP法にて評価することとした。ミリストイル化MA蛋白質は、前回精製したMA蛋白質と同様の方法で行ない、現在結晶化条件を検討中である。
②細胞導入効率の改善を目指したプロドラッグ体L-HIPPOの合成について L-HIPPOのプロドラッグ基として、ブチリルオキシメチル基の導入を行なった。L-HIPPOには11箇所導入場所があり、現在の条件では、10箇所プロドラッグ基が導入された化合物が得られている。1箇所反応性が低いため、反応条件を改善しL-HIPPOのプロドラッグ体の合成を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
MA蛋白質とL-HIPPOの結晶が得られなかったため、結晶化法をLCP法に変更するとともに、スクリーニング条件を増やすこととする。LCP法用のミリストイル化MAはすでに精製済みであり、今後は結晶化に適した条件を探索する。結晶構造が得られた場合、結合様式から新たな誘導体の設計と合成を行う。 L-HIPPOのプロドラッグ化については、反応が進行している事が確認されたため、目的化合物をある程度の収率で回収可能な条件を検討する。L-HIPPOのプロドラッグ体が完成次第、抗HIV活性と潜伏感染細胞への影響を確認する。
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