2020 Fiscal Year Annual Research Report
世界初の幹細胞スフェアドラッグデリバリー技術を用いた再生治療
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19K23804
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
堀口 道子 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 講師 (70632470)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 再生治療 / ドラッグデリバリーシステム / 製剤 / 薬剤 / 培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、再生治療を加速させる新しい幹細胞システムの開発を実施した。 申請者が研究を進めている幹細胞を用いた再生治療において、移植の成功を左右する重要な課題が、移植に必要な品質の高い幹細胞を培養する技術、そして移植後も安定した高い再生治療効果を有する幹細胞製剤の開発である。幹細胞は培養条件に依存して、分化し幹細胞性を失うと、再生治療の材料としての能力が急激に低下してしまう。しかしながら、申請者は、この常識を覆し、ES細胞や体性幹細胞をスフェア状態で培養すると高い幹細胞性を保持したまま長期間培養できることを発見した。そこで、本研究では、幹細胞移植の生着率向上を目指して、幹細胞スフェアドラッグデリバリー技術を基盤とした新しい再生治療法を確立した。 はじめに、移植に必要な品質の高い幹細胞を培養するため、申請者の独自技術である幹細胞スフェア培養法を用いて、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞に最適な培養条件を検討した。次に、幹細胞スフェア移植後の生着率をさらに向上させるために、ドラッグデリバリー技術を応用した。そして、移植した幹細胞スフェアドラッグデリバリー製剤の経時的な変化を明らかにするため、生体顕微鏡により製剤の体内動態を可視化した。さらに、幹細胞スフェアドラッグデリバリー製剤による再生治療効果を明らかにするため、病態モデルを用いて治療効果を評価した。 本研究は、幹細胞を用いた再生治療の効率を格段に高め、再生医療のブレークスルーとなることが期待される。
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Research Products
(6 results)