2020 Fiscal Year Research-status Report
レプチンによるスフィンゴ糖脂質発現を介した炎症病態メカニズムの解明
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19K23806
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
新田 昂大 東北医科薬科大学, 薬学部, ポスト・ドクター (30847976)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | レプチン / スフィンゴ糖脂質 / 糖尿病性腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も、引き続きレプチンによって誘導される腎糖脂質発現がどのような経路によるものか明らかにするために、レプチン受容体floxマウスと脳特異的欠損のためのCreマウスを交配させ、解析に必要な数を確保し、脳特異的欠損マウスの解析に着手した。脳特異的レプチン受容体欠損マウスに関しては、脳ならびに腎臓から抽出したレプチン受容体遺伝子を解析した結果、腎臓においても組換えが生じており、今回使用したCreマウスでは特異性に乏しいことが分かった。実験の目的上、脳特異的にレプチン受容体を欠損させる必要があるため、今回使用したCreマウスでは適切ではないと考えられた。腎特異的レプチン受容体欠損マウスに必要なCreマウスに関しては、コロナの影響で導入が遅れていたが、本年度に導入することができた。すでに、解析に必要な数の確保に成功しており、解析を行っている。 また、昨年度レプチンシグナルによって発現変化する糖脂質合成酵素遺伝子並びに分解酵素遺伝子を同定したことを報告したが、本年度はさらに、レプチンシグナルとクロストークすることが知られてる別のシグナルによっても、この遺伝子発現変化が生じることを新たに見出した。加えて、このシグナルを誘起する受容体リガンド欠損マウスにリガンドを投与することで腎臓の糖脂質発現が野生型と同じバランスまで回復することも確認しており、新たに見出したシグナル伝達系を今後詳細に解析していく必要がある。 この内容については、東北糖鎖研究会ならびに脂質生化学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳特異的レプチン受容体欠損マウス作成おいて、使用したCreマウスの特異性が低いことが本年度の解析により明らかとなったことから、別のCreマウスを使用し解析するする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
脳特異的レプチン受容体マウス作成に必要な、Creマウスを入手し、解析を行う。 レプチン並びに本年度見出した別の分子による糖転移酵素発現変化メカニズムを詳細に解析していく。
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Causes of Carryover |
今年度は、研究室の共通試薬、抗体などを使用したものもあるため、次年度使用額が生じた。次年度においては、本年度新たに明らかになった部分の解析に必要な試薬などの購入にあてる。
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Research Products
(2 results)