2020 Fiscal Year Annual Research Report
GnRH産生ニューロンの機能状態と微細構造の変化を繋ぐ新たな相関顕微観察法の開発
Project/Area Number |
19K23818
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
森永 涼介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60845733)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | GnRH / 視床下部 / ゴルジ装置 / 分泌顆粒 / 相関顕微観察法 / Vasopressin / Oxytocin |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画ではGnRHニューロンを目的の細胞として研究を開始していたが、刺激実験でGnRHニューロンのゴルジ装置に形態変化が認められなかった点や局在する範囲が狭く非染色下では同定しにくい点から、今後の走査型電子顕微鏡による観察にGnRHニューロンを用いるのは困難であると考えた。そこで2020年度では、より同定しやすい神経分泌細胞としてVasopressinニューロンおよびOxytocinニューロンを目的細胞とし研究を継続した。これらニューロンの刺激実験群として9%食塩水や蒸留水の単回腹腔内投与を行った実験群および2%食塩水を1週間自由飲水させた実験群を用意し、それぞれ形態学的解析に供した。これら刺激実験によるゴルジ装置の形態学的変化を明らかにするために、シスゴルジ網に局在するGM130およびトランスゴルジ網に局在するTGN38に対する抗体を用いた免疫組織化学的解析を行った。コントロール群のゴルジ装置は網目状で核の周囲を覆っており、トランスゴルジ網がシスゴルジ網の内側に認められた。これらニューロンの活動亢進させる9%食塩水腹腔内投与1日後および2%食塩水を1週間自由飲水させた実験群では、トランスゴルジ網が細くなり、一部分断され、一方で活動抑制する0%食塩水腹腔内投与1日後および2日後群では、トランスゴルジ網が板状に認められた。これら刺激実験によりゴルジ装置の形態が変化することが光顕で確認できたため、より微細構造の変化を確認するために、まず透過電子顕微鏡による観察を行っている。コントロール群においてこれらニューロンの観察を行うことができており、今後も研究を継続し、刺激実験による微細構造の変化の観察するとともに、走査電子顕微鏡による立体的な微細構造の観察を行う予定である。
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