2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K23824
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝部 元紀 京都大学, 医学研究科, 助教 (40609583)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ヒト胎児 / 顔面骨格 / 先天異常 / 成長発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
顔面骨格の正常発達過程は、顔面先天異常疾患の病態解明に必要不可欠であるが、その全容 はわかっていない。本研究の目的は、胎児期におけるヒト顔面骨格の3次元的な形態変化を 定量的に評価し、正常発育様式の全容を解明することである。 ヒト特有の顔貌が成立する胎児期(妊娠10週~)の発達過程を解明するにはヒト胎児標本を用いる必要がある。しかし、これらの標本は入手が難しく、定量解析可能な標本数を確保した研究は非常に少ない。そこで、本研究では世界有数のヒト胚子、胎児コレクションKyoto CollectionのCT、MRI画像を撮像し、それらを元に形態解析を行う。従来の研究では主に2次元的な解析(長さや角度の分析)が行われてきたが、ダイナミックな形態変化を捉えるには不十分であった。本研究では3次元的な形態の定量解析や可視化に優れた解析手法Geometric morphometrics (GM) を適応することで胎児顔面のダイナミックな形態変化を捉えることを目的としている。 本年度はヒト胚子、胎児標本に対して京都大学に設置されている7TーMRI、3TーMRI、μCTまたはCTなどで撮像しデータ蓄積を行なってきた。 今後、これらのデータを元にヒ ト胎児顔面骨格の3次元的な形態変化を定量解析し、時間軸に沿って4次元モデルを作成する。 さらに脳や咀嚼筋など隣接器官と顔面骨格の成長に関係性がどの程度認められるのかを数理統計的に検証する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象となる画像データ取得を進めている。主に使用するヒト胎児顔面MRIデータは予定通り取得できた。しかし妊娠週数25週以降の胎児で撮像するCTについては、撮像を進めている段階であり、当初の予定より若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は以下について行う予定である。 顔面骨格の成長発達の解析:下顎骨を含む顔面骨格上に、成長中も相同なランドマーク座標を取得し、その座標値データを元に定量解析する。 4次元モデルの作成:平均形状に最も近いサンプルの3 次元モデルを、3次元立体化ソフトAmiraを用いて作成する。統計解析で得られた結果に合わせてMorphingさせることで、顔面骨格の4次元モデルを作成する。 外的因子と顔面の形態形成の関係性を解きあかす:脳についても統計解析で用いた手法で定量解 析する。咀嚼筋の筋力はその断面積で代用可能であり、画像解析ソフトOsirixを用いて計測する。これらの結果とそれまでに得られたデ ータとの関係性を統計解析ソフトRで検証す ることで、外的因子の影響を明らかにする。さらにMatlabでこの関係性を可視化し、具体的に示す。
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Research Products
(3 results)