2019 Fiscal Year Research-status Report
容積感受性陰イオンチャネルLRRC8のヘテロ多量体化と活性化能の関連性の解明
Project/Area Number |
19K23833
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
糟谷 豪 自治医科大学, 医学部, 助教 (80845115)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 容積感受性チャネル / LRRC8 / 生理学 / 電気生理学 / 構造生物化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
LRRC8がヘテロ化することで細胞容積を感受するようになる仕組みの理解にむけて、5種類あるLRRC8アイソフォームのうち、有機オスモライトの透過を担うLRRC8DとLRRC8が活性を有するために必須なアイソフォームであるLRRC8Aを対象に電気生理解析および立体構造解析の両方の面から研究を開始した。電気生理解析については、LRRC8AおよびLRRC8Dアイソフォームをアフリカツメガエル卵母細胞で発現するためのベクターにクローニングし、二電極膜電位固定法により測定することを試みている。現在のところ、低浸透圧下に置く時間やバッファー組成など、細胞容積の変化依存的な電流を安定して測定するための条件を検討中である。今後は更に条件検討を行うことで安定して測定できる条件を同定するとともに、各種阻害剤やアイソフォーム特異的な基質を加えた条件での電流測定も試みる。 また立体構造解析については、LRRC8Dアイソフォームについて、申請者がLRRC8Aホモ六量体の構造を決定した際の方法にならい、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析法によりLRRC8Dホモ六量体の構造決定を行うことを試みている。現在のところ、LRRC8Dアイソフォームをヒト細胞で発現するためのベクターにクローニングし、安定して精製できる条件を同定した。更に、精製したタンパク質試料を微小孔のあいたカーボン膜上で急速凍結し撮影を実施することで、予備的な二次元平均像を得ることに成功した。今後は撮影を継続し、粒子数を増やすとともに、クラスタリング、アライメントの精密化を行うことで、立体構造の決定を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であるLRRC8がヘテロ化することで細胞容積を感受するようになる仕組みの理解に向けて、有機オスモライトの透過を担うLRRC8Dアイソフォームについて電気生理解析および構造解析の両面から解析を開始することに成功した。今後の実験見通しも立っておりおおむね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
電気生理解析については、低浸透圧下に置く時間やバッファー組成など、細胞容積の変化依存的な電流を安定して測定するための条件を更に検討することで同定する。構造解析については、クライオ電子顕微鏡を用いた撮影を継続し、粒子数を増やすとともに、クラスタリング、アライメントの精密化を行うことで、立体構造の決定を試みる。
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Causes of Carryover |
全世界的なコロナウイルスの影響で調達予定の機器や参加予定の学会に変更や中止が生じたため。なお余剰金については、本課題で使用する分光光度計等の購入費用に充てる。
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Research Products
(2 results)