2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of pericyte-specific ATP-dependent potassium channel on cardiac function
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19K23835
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
安藤 康史 日本医科大学, 先端医学研究所, 講師 (10736010)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ペリサイト / K-ATPチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
『ペリサイト特異的ATP依存性カリウムチャネル異常が心疾患を誘発する』という仮説を検証し、ペリサイトによる心機能調節機構の分子基盤を明らかにするため、本年度は主にKcnj8(Kir6.1)/Abcc9(Sur2B)発現細胞の同定に向けた解析を実施した。これまでの成獣マウスを用いた解析に加え、心臓壁細胞の発生初期(E11.5-E14.5およびP0-2)の時点におけるKcnj8の発現解析を実施した。Kcnj8プロモ-タ-制御化でCreERT2を発現するラインと、タモキシフェン依存的にGFPの発現を誘導可能なライン(Kcnj8-CreERT2, Rosa26-mTmG)を用いて解析した結果、成獣マウスではペリサイト選択的になる一方、発生初期ではペリサイトに加えKcnj8が心外膜細胞に発現する可能性が示唆された。これまでに心外膜細胞はペリサイトだけではなく、線維芽細胞や心筋細胞など、異なる細胞種へと分化する可能性が示唆されていることから、Kcnj8遺伝子変異性心疾患がペリサイト以外の細胞腫に起因する可能性が浮上し、今後本研究目的の達成のためにはペリサイト選択的な遺伝子欠損法により心機能に与える影響を検討する必要があることが分かった。Kcnj8の発現解析に加え、Sur2Bの発現解析を実施するため、マウスSur2Bに対する抗体作成を行った。これまでSur2B選択的な市販抗体はなく、その組織分布の解析の障害となっていたが、組織染色が可能と思われる抗体を得ることが出来た。実際に脳組織を用いた染色を実施すると毛細血管周囲のペリサイトにおいてペリサイト発現遺伝子であるplatelet-derived growth factor betaとSur2Bが共局在する染色像が得られ、タンパク質レベルにおいてもSur2Bがペリサイトに発現することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究室の移転に伴う実験動物の移動のため、凍結精子から個体復元を行わなければならず、また新規飼育環境への適応に時間がかかり、実験動物の確保が本期間では難しく、遺伝子変異個体の心機能への影響を解析することが困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度でも引き続きKcnj8発現レポーター、作成したSur2B抗体やin situハイブリダイゼーションによるKcnj8/Abcc9発現細胞を発生初期から解析し、両遺伝子の発現細胞の同定を行う。更に、ペリサイト特異的なKcnj8遺伝子欠損個体を用いて、タモシキフェン投与後1週間以内(即時性)および3ヵ月(遅延性)の時点で 、心エコー図検査 (肥大化、壁厚などの形態検査および 拍動、拍出量、逆流の有無などの機能検査)と心電図検査により解析する。
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Causes of Carryover |
抗体精製が他の受注が多く年度内に実施できず次年度での請求となった為、その精製費用分として次年度使用額が生じた。
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Research Products
(6 results)