2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K23839
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神谷 麻理 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20844377)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 炎症性筋疾患 / 多発性筋炎 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 筋の細胞死(PCD)様式の解明:多発性筋炎(PM)患者組織において、TUNEL (TdT-mediated dUTP nick end labeling)法を施行したところ、傷害をうけた筋細胞の細胞死が非アポトーシスであることが確認された。C2C12細胞由来の筋管細胞と、OT-Iマウス脾細胞由来の細胞傷害性T細胞(CTL)との共培養によるin vitroの評価系を用いて、筋管細胞のPCDをAnnexin VとPIを用いたタイムラプスイメージングとTUNEL法、さらに細胞死阻害剤を用いて特定した。 2. 筋のPCD制御分子の確認: in vitroモデルにおいて1. で特定したPCDの制御分子をsiRNAによってノックダウンし、筋管細胞の細胞死が抑制されることを確認した。また、多発性筋炎(PM)患者組織と筋炎マウスモデルであるCIMに対し、1. で特定したPCDの制御分子の発現を免疫染色にて確認した。 3.筋PCD阻害効果の検証:1. で特定された筋PCDの阻害剤をCIMに投与を行ったところ組織学的な炎症と、筋力の改善が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度中に本研究の当初の目的であった、筋の細胞死様式の解明と、その阻害によるCIM改善効果を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
筋細胞死の阻害がCIMを改善させた背景機序をin vitroモデル, マウスモデルを用いて検証する。細胞死に伴って放出される炎症介在因子が、細胞死阻害によって変動するか確認する。また、成果の学会報告や論文化を進める予定である。
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Causes of Carryover |
筋PCD機序の解明や、その阻害がもたらす影響を検証したが、その結果が当初の仮説に沿う内容であり、かつ滞りなく研究が遂行できたため、当初の予算よりも少なく遂行できた。 次年度に残された予算にて詳細なメカニズムの追及と、討議と成果発表のための学会参加や、論文化を行う予定である。
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