2023 Fiscal Year Annual Research Report
ロイコトリエンB4受容体を標的としたアレルギー性結膜炎新規治療薬の検証
Project/Area Number |
19K23851
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平形 寿彬 順天堂大学, 医学部, 助教 (20843155)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | ロイコトリエンB4 / 脂質メディエーター / アレルギー性結膜炎 / BLT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アレルギー性結膜炎におけるLTB4受容体(BLT1、BLT2)の役割を明らかにし、アレルギー性結膜炎の新規治療法を開発することである。これま で、野生型マウスとBLT1遺伝子欠損マウスに対し、ブタクサ花粉誘発アレルギー性結膜炎マウスモデルを作成し、両群間の比較検討を行ない、アレルギー性結膜 炎においてLTB4受容体であるBLT1は重要な役割を担っていることが強く示唆される結果を得ている。そして、2021年度にはBLT1遺伝子欠損マウスは野生型マウスと比較し、結膜への好中球浸潤も減少していることがわかり、好中球もアレルギー性結膜炎において役割を担っていることが示唆された。 2023年度は2022年度に引き続きは好中球がアレルギー性結膜炎に関与しているか、について調べを進めた。野生型マウスに好中球を抑制させるanti-Ly6g抗体を投与し、好中球抑制マウスモデルを作成した。末梢血中の好中球の割合をフローサイトメトリーで測定し、好中球はブタクサ花粉に暴露された群で増加していた。また結膜中のBLT1のmRNA発現量の減少も、好中球抑制群マウスで確認した。その好中球抑制マウスに対し、アレルギー性結膜炎を惹起したところ、アレルギー性結膜炎症状が抑制されることが確認された。また、そのアレルギー性結膜炎の重症度を定量したクリにクカルスコアはアレルギー性結膜炎を惹起したBLT1遺伝子欠損マウスと同等であった。結膜組織中の脂質メディエーターについて質量分析により解析を行なったところ、アレルギー性結膜炎の結膜中で上昇したLTB4は、BLT1野生型マウスと好中球抑制マウスにおいてBLT1遺伝子欠損マウスとほぼ同等に抑制される傾向にあった。この結果より、LTB4/BLT1受容体を介した好中球の結膜浸潤はアレルギー性結膜炎に おいて大きな役割を持っていることが示唆された。
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