2019 Fiscal Year Research-status Report
破壊性関節炎・付着部炎モデルマウスを用いた病態機序の解明と治療標的の探索
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19K23856
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
泉山 拓也 東北大学, 大学病院, 特任助手 (00844276)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 脊椎関節炎 / McH-lpr/lpr-RA1マウス / 付着部炎 / 付着部骨増殖 / SKGマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
強直性脊椎炎や乾癬性関節炎に代表される脊椎関節炎は、滑膜炎、骨びらん、骨新生、付着部炎、関節強直などの多彩な臨床像を示す自己免疫疾患群である。なかでも付着部炎、骨化病変の形成に関しては、未だ不明な点が多い。ADLを損なう不可逆性の変化を避けるために有効な治療を確立することが我々の研究の目的である。我々は骨化・強直のメカニズムを明らかにして椎体・関節炎の強直が生じる前に早期に診断し、有効な治療を開始するために、破壊性関節炎と骨化性付着部炎、関節強直を自然発症するMcH-lpr/lpr-RA1マウス(RA1マウス)に対して、抗IL-6抗体の投与を10週齢から20週齢まで投与して、関節炎および付着部炎に対する効果を検討した。治療群には抗IL-6抗体であるMR-16を毎週投与した。14週、17週、20週齢のマウスの足関節および足根骨について病理学的に検討を行なったところ、それぞれの週例において関節炎について抑制効果を得られたが、靭帯付着部の骨増殖性変化に対しては優位な改善効果がみられなかった。上記の研究成果は2019年に報告した (Izumiyama T, et al. BMC Musculoskelet Disord. 2019)。次に抗IL-17A抗体を使用してRA1マウスに対する付着部炎、付着部骨化の抑制効果の検討を開始したが、予備実験において十分な効果が得られなかった。そのため現在は対象をSKGマウスに切り替え、抗IL-17A抗体の抑制効果を検討している。具体的には①HE染色における付着部骨化および関節炎の抑制効果の検討、②MRIでの仙腸関節炎および付着部炎の抑制効果の検討、③仙腸関節および付着部における炎症細胞サブセットやサイトカインについて免疫染色とRT-PCRでの検討、④CTでの骨破壊および付着部骨化の検討、について検証、解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関節炎の評価項目に必要な実験のセッティングに問題が生じており、実験の進行に支障をきたしている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験の準備が出来次第、8週齢のSKGマウスに対してCurdlanを使用して関節炎を誘発させ、治療群に対して抗IL-17抗体(17F3)を12週まで投与を行う。組織学的検討、MRIなどでの局所的な改善効果の評価に加え、その局所におけるサイトカインや炎症細胞の分布についてもあわせて評価を行う。また、血中サイトカイン濃度についてもあわせて検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験の進行が遅れており次年度使用額が発生している。2020年度の計画予定と合わせて研究を行う。
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