2020 Fiscal Year Annual Research Report
免疫療法を目指した、B型慢性肝炎・肝癌発症における宿主免疫制御機構の意義の解明
Project/Area Number |
19K23868
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
浦木 隆太 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70843027)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 免疫制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
B型肝炎ウイルス潜伏感染時、宿主はウイルスに対する過度な応答が抑制・制御されていることから、本研究課題では、免疫抑制能を有する制御性T細胞および制御性T細胞と相互作用する免疫細胞に焦点を当て、ウイルス学・免疫学的視点からHBV潜伏感染に関わる免疫応答および慢性肝炎・肝癌の引き金となる要因の解明を目指す。 我々のグループが昨年度作出した薬剤(ジフテリア毒素:DT)選択的に制御性T細胞を欠損できるB型肝炎モデルマウス(Foxp3-DTR-HBsTgマウス)を用いて、DTを接種した際の制御性T細胞の除去効果および自己免疫疾患症状を示さない条件を決定した。 その後、決定した条件を用いて、DTで制御性T細胞を除去した際のFoxp3-DTR-HBsTgマウスの性状解析を行った。コントロールマウスとしては、Foxp3-DTRマウスやB型肝炎モデルマウス(HBsTgマウス)を用いた。 当該年度の研究によってFACS解析や病理解析、遺伝子発現解析を行い、制御性T細胞の担う役割について、現在までpromising な結果を得らている。 健常者やHBV潜伏感染患者と比べ、HBV慢性肝炎発症患者では肝臓内の制御性T細胞が多いことが過去に報告されているが、制御性T細胞が集簇・増殖している機序は未だ不明であるため、我々の結果は、B型肝炎キャリアにおいて、制御性T細胞が肝炎発症等に与える影響を明らかにできる可能性を秘めている。
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