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2019 Fiscal Year Research-status Report

BET阻害による非相同末端結合機構抑制効果を用いた新しい肺癌治療の開発

Research Project

Project/Area Number 19K23876
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

高島 雄太  北海道大学, 大学病院, 医員 (90848764)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2021-03-31
Keywords肺癌 / DNA修復 / 非相同末端結合 / 細胞周期 / BET
Outline of Annual Research Achievements

近年、BET阻害がDNA2本鎖切断(DSB)の修復を阻害することでDNA傷害活性をもつ様々な薬剤の効果を増強することが報告されている。しかし、これらの先行研究のほとんどは細胞周期におけるS期細胞のDNAを傷害する薬剤とBET阻害剤との併用についての検討であり、その標的としているDSB修復機構は相同組換え(HR)である。BET阻害はもう一つのDSB修復機構である非相同末端結合機構(NHEJ)も抑制しうることが報告されているが、その機序やBET 阻害によるNHEJ阻害能が抗癌治療に応用できるかどうかについての検討はほとんどされていない。本研究は新たな肺癌治療法を産み出すべく、BET阻害によるNHEJ抑制を利用した治療方法の有用性とその機序の解明を目指す。
現在までに、NHEJレポータープラスミドを組み込んだ非小細胞肺癌細胞株の作成に成功し、その細胞株を用いてBET阻害がNHEJ修復活性を著明に低下させることを明らかにした。また、非小細胞肺癌細胞株にBET阻害剤を投与するとNHEJに関与する複数の遺伝子の発現が低下することも明らかにした。
BET阻害によるNHEJ抑制を抗癌治療に応用することができれば、細胞周期のS期特異的なDNA傷害活性を示す薬剤だけでなく幅広いDNA傷害性薬剤の作用を増強することが期待できる。現在までに、非小細胞肺癌細胞株に対してBET阻害剤とM期にDSBを起こすWEE1阻害剤を併用すると非常に強いDSBが起こり、相乗的な抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの実験では実験開始時に立てた仮説に矛盾しない結果が得られている。今後、BET阻害によるNHEJ抑制に関与しているターゲット遺伝子の特定を目指す予定であるが、DSB修復機構には多数の遺伝子が複合的に関与しているため評価に苦戦する可能性がある。

Strategy for Future Research Activity

今後、BET阻害によるNHEJ抑制に関与しているターゲット遺伝子の特定を目指す。これまでの実験結果から関与が疑われた遺伝子のノックダウンや過剰発現細胞を作成し、評価する予定。
異種移植マウスモデルを用いて生体内におけるWEE1阻害剤とBET阻害剤の併用効果を検討する予定。

Causes of Carryover

本年度内に購入する予定であった細胞株や薬剤の選定に時間を要してしまったため次年度に購入するつもりで現在調整中である。残額についてはこれらの購入に使用予定である。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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