2021 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍由来細胞外小胞の臨床病理学的意義-光学顕微鏡下での可視化による検討
Project/Area Number |
19K23878
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
馬越 通信 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (00557457)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍由来細胞外小胞 / 胃癌 / 超高感度ISH法 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌細胞株(N87, 44As3)の培養細胞株の培養上清から超遠心法で、腫瘍由来細胞外小胞(tumor derived extracellular vesicle; TEVs)を抽出した。それぞれのTEVsに対してqPCRを施行し、比較的、癌細胞特異的に発現すると考えられるRNA(HER-2, UCA1)が含まれていることを確認した。その上で、マウスにそれぞれの細胞株をインプラント、1週間後摘出した腫瘍の周囲に、TEVsと考えられるドット状陽性像を確認することができた。ドット状陽性像はおもに線維芽細胞、組織球内に取り込まれているように見えた。超高感度ISH法についてはマウス由来のHER2, UCA1と反応しないプローブを設計し、使用した(マウスにインプラントした標本に対して)。この所見はDiIで標識した癌細胞をimplant部周囲の間質細胞に癌細胞由来と考えられるred signalの取り込み像がみられた、共焦点顕微鏡の所見と合致した。また、胃癌手術検体で、HER2 ISHを施行したところ、HER2 score3の検体には癌胞巣周囲のTEVsと考えられるドット状陽性像が確認されたが、score0-2の検体にはほぼ確認されなかった。 非特異的反応をみている可能性を完全に否定できるものではないが、超高感度ISHを用いて、癌細胞に特異的なRNAを標的にすれば、癌細胞由来のTEVsを手術材料で観察することできる可能性を示すことができた。 これらの成果は第111回日本病理学会総会で発表した。
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