2020 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺濾胞癌の発生と進行に関与する免疫的癌微小環境特性の同定
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19K23893
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大村 学 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20516182)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 / イメージング / 腫瘍免疫 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な癌種で癌細胞の腫瘍内不均一性と腫瘍組織内に存在する免疫細胞の組成や性質が、癌の進展や治療抵抗性と関わることが知られてきた。我々はこれまでに、一枚のホルマリン固定パラフィン包埋切片から12種類のエピトープを免疫組織化学で解析できるmultiplex immunohistochemistry (IHC)ならびにその画像定量化技術image cytometryを初めて開発し、3枚の切片から定量化可能な14種類の免疫細胞の組成や性質を統計解析することで、癌の亜分類や予後と相関する腫瘍の免疫的性質を報告してきた。また、この手法を用いて、我々はこれまでに、甲状腺乳頭癌の腫瘍組織内部の免疫特性が周囲非癌部と異なることや、病理学的侵襲性と骨髄系免疫細胞の細胞密度に相関がみられることから、甲状腺癌の発生・進行に免疫的機序が関与する可能性を報告してきた。本研究では、甲状腺濾胞癌の発生・進行に関わりうる免疫的機序を組織内免疫細胞分布を調べることで解析し、甲状腺濾胞癌の早期診断や発癌機序の解明に寄与する組織バイオマーカーの確立を目的とする。平成31年度はDiscovery cohortを用いて濾胞癌巣内と周囲非癌部における免疫的微小環境の検討し、甲状腺濾胞癌症例21例において多重免疫染色ならびにデジタル画像解析による定量化を完了した。濾胞癌の被膜浸潤部における特異な免疫的微小環境特性の存在が示唆され、Validation cohortでの解析に向けた基盤的データを取得した。令和2年度には、Validation cohortを用いて、濾胞癌の皮膜浸潤部における免疫的微小環境特性を解析し、腫瘍中心部や非浸潤辺縁部との差異を確認した。これらの研究成果の一部を第43回・第44回日本頭頸部癌学会において発表し、共著論文1編を報告した。
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