2020 Fiscal Year Annual Research Report
CAR-T細胞の「疲弊」改善に寄与する共刺激因子発現型腫瘍溶解ウイルスの開発
Project/Area Number |
19K23894
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 秀樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10643546)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 腫瘍溶解性アデノウイルス / 横紋筋肉腫 / CAR-T細胞療法 / 免疫学的疲弊 / 共刺激因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究成果】 1)共刺激因子安定発現横紋筋肉腫(RMS)細胞株の作製。pcDNA3.1発現ベクターを用いてCD80を発現するRMS細胞株(Rh30)を作製した。またpuromycinにてセレクションを行い、フローサイトメトリーにより安定して発現していること確認した。2)共刺激因子安定発現RMSとRMS特異的CAR-Tの共培養。CD80を発現させたRh30および、野生型のRh30とCAR-Tを共培養し、real time analyzerでRh30に対する抗腫瘍効果を評価した。CD80を発現したRh30は、CAR-Tにより長時間細胞数が抑制された。免疫学的疲弊の軽減を示唆する結果と考える。3)共刺激因子発現型RMS特異的OAdの開発(現在進行形である)。MYOGプロモーター制御型OAdをもとに、E1geneの後にT2AでCD80をつないだコンストラクトを作製し、ウイルスとしてassemble可能か検証中である。4)共刺激因子発現型OAdによる、CAR-Tの疲弊抑制効果の検証(併用療法の検証まで到達していない)。ウイルスが作製次第、CAR-Tとの併用効果をin vitro, in vivoで検証する。 【意義・重要性】 共刺激因子を標的となるがん細胞上に発現させることで、CAR-T細胞に生じる『免疫学的疲弊』を軽減し、抗腫瘍効果を増強させることができれば、固形腫瘍に対するCAR-T細胞療法の治療効果を著しく高める可能性がある。in vivoで腫瘍に目的のタンパクを発現させるOAdの開発は、癌腫を問わず技術応用することが可能であり、非常に潜在力を秘めた研究と確信する。
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