2020 Fiscal Year Annual Research Report
癌微小環境のremodelingによる腫瘍免疫応答の活性化を用いた新規治療法開発
Project/Area Number |
19K23905
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 修一 東北大学, 大学病院, 特任助手 (30844451)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 肝内胆管癌 / 癌微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / 免疫治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝内胆管癌同種移植マウスモデルを用いて、抗PlGF療法、GC療法及びそれらの併存治療を検討した。CD8 T cellの免疫染色により、抗腫瘍免疫の主役を担う細胞障害性T細胞(CD8 T cell)の腫瘍内浸潤を解析すると、胆管癌は通常、CD8 T cellの腫瘍内浸潤を認めない免疫抑制的な微小環境であったが、抗PlGF療法もしくはGC療法により、腫瘍内へのCD8浸潤を認め、さらに併存療法により、さらなるCD8 Tcellの腫瘍内への浸潤増加を認めた。一方で、フローサイトメトリーによる免疫細胞の評価では、腫瘍内のactiveなCD8 T cell (GZM+ CD8 T cellもしくはKi67+ CD8 Tcell)はGC単独療法や抗PlGF及びGC併用療法で、腫瘍内浸潤の増強を認めた。抗PlGF療法のみでは、naive CD8 T cellが多くを占めていた。 同様に425細胞を用いた同種同所移植マウスに、1:ICB治療のみ、2:抗PlGF療法とICBとの併用療法、3:GC療法とICBとの併用療法、4:抗PlGF療法とGC療法とICBとの併用療法を加え、マウスの生存期間を比較した。腫瘍増殖において、ICB治療のみでは腫瘍抑制効果を認めなかったが抗PlGF療法やGC療法にICBを併用、もしくは抗PlGF療法+GC療法にICBを併用することで、腫瘍抑制効果を認めた。マウスの生存期間解析では、ICB単剤や抗PlGF療法+ICB併用療法では、マウスの生存期間の延長を認めなかったが、GC療法とICBの併用療法で著明なマウス生存の延長効果を認め、GC療法とICBの併用療法において抗PlGF治療の上乗せ効果を認めなかった 。現標準治療であるGC療法がICBとの併用により、抗腫瘍効果や生存期間の延長をもたらす可能性が高いことが示唆された。
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Research Products
(1 results)