2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establisment of Patient derived tumor orthotopic xenograft mouse model in biliary carcinoma
Project/Area Number |
19K23914
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
吉川 潤一 藤田医科大学, 医学部, 助教 (40841185)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 胆道癌 / 患者由来腫瘍マウス同所移植モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:胆道癌は難治癌であり、病態解明および新規治療法開発のための適切な動物モデルの開発が必要である。Patient Derived tumor Orthotopic Xenograft(PDOX)モデルは、患者腫瘍を同所性にマウスに移植するモデルである。癌の転移には癌周囲の微小環境が重要であるため、皮下移植を用いたPatient Derived tumor Xenograft(PDX)モデルでは癌が転移しないが、PDOXモデルでは癌が転移するとされる。それゆえにPDOXモデルは多くの癌において病態解明や新規治療法開発のみならず個別化医療にも最適なモデルとされているが、胆道癌のPDOXモデルは未開発である。 目的:胆道癌のPDOXマウスモデルを確立すること。 方法:胆道癌手術標本から採取したヒト胆道癌をヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj)およびJak3/Rag2欠損マウスの皮下に移植した。ヌードマウスでは皮下で継代後、同所性移植としてマウス胆嚢内に移植するモデルを作成した。 結果:ヌードマウスでの初回皮下生着には8~10ヶ月要し、生着率も10%程度であった。Jak3/Rag2欠損マウスでの初回皮下生着には1~2ヶ月要し、生着率は80~100%であった。継代した腫瘍のヌードマウス胆嚢への腫瘍移植による生着率は80%であった。他臓器転移を20%に認めた。腫瘍のヌードマウス皮下への腫瘍移植による生着率は40%で、他臓器への転移を認めなかった。ヒト胆道癌の実施可能なPDOXモデルとして開発した胆嚢内へ腫瘍を移植するモデルは生着率が高く、転移しうるモデルと考えられた。今後、皮下移植においてヌードマウスより生着率が高いJak3/Rag2欠損マウスを用いて胆嚢内へ移植する本モデルを作成しその意義を探索する予定である。
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