2019 Fiscal Year Research-status Report
腎細胞がんにおける腫瘍関連免疫抑制性ミエロイド系細胞に着目した腫瘍微小環境の解析
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19K23925
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
福田 洋典 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (60848951)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 腎細胞がん / がん微小環境 / T細胞疲弊 / 免疫抑制性ミエロイド細胞 / TAMC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腎細胞がん微小環境におけるtumor-associated myeloid cells (TAMC)のT細胞疲弊や免疫抑制環境形成への関与や影響について解析することを目的とする。この目的ために、腎細胞がんの臨床検体を用いて微小環境の免疫学的パラメーターによるクラスター解析とTAMCのシングルセルレベルでの網羅的遺伝子発現解析を行い、さらに免疫療法の治療効果及び予後との関連性について検討する。 2019年度は、来年度に予定しているがん部と非がん部の免疫細胞サブセット比較のためのマルチカラー・フローサイトメトリー解析とTAMCの網羅的遺伝子発現解析に用いる腎細胞がん原発巣外科切除検体の集積を行った。転移があり全身治療の対象となる症例を14例、また転移はないが再発率の高い局所浸潤症例8例の外科切除腎細胞がん標本のがん部及び非がん部の組織から細胞を分離し、これらの分離した腫瘍浸潤免疫細胞は細胞保存液を用いて液体窒素中で保存した。それぞれの検体において、今後の解析に十分な細胞数を確保することができた。これらの症例には、免疫療法の治療効果及び予後との関連性について解析するための詳細な臨床情報も紐づけられている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の当初の計画では20例の腎細胞がん外科切除標本における腫瘍浸潤免疫細胞を保存することを目標としており、本年度は22例の検体を採取することができたことから、この計画目標は達成されたと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
全体計画として40例の腎細胞がん外科切除標本における腫瘍浸潤免疫細胞の保存を目標としており、来年度もさらに20例の検体採取を目標とする。これらの腫瘍浸潤免疫細胞検体に対しては、随時マルチカラー・フローサイトメトリーによるクラスター解析とTAMCのシングルセルレベルでの網羅的遺伝子発現解析を進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
フローサイトメトリー用抗体の選択を検討中のため、次年度に繰り越している。次年度初めには速やかに抗体を決定し、購入予定である。
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