2020 Fiscal Year Annual Research Report
光干渉断層診断におけるプラーク不安定性に着目した冠動脈疾患新規リスク層別法の開発
Project/Area Number |
19K23931
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小西 崇夫 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (80849117)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 動脈硬化症 / 不安定プラーク / 光干渉断層診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞、脳梗塞の原因となる動脈硬化症は、カテーテル治療、薬物療法が発達した現代においても、依然として、生命に関わる重要な疾患となっている。不安定な動脈硬化、いわゆる、不安定プラークを同定し、将来イベントを予測することは、動脈硬化性疾患に対する治療戦略を立てる上で有用である。光干渉断層診断(Optical coherence tomography; OCT)を用いて、冠動脈プラークを包括的に評価し、将来の心血管イベントを予測することは、これまで詳細に検討されていなかった。本研究の目的は、①心臓カテーテル治療時のOCTで得られた不安定プラークの画像所見と慢性期の予後との関連性を前向きに検証し、そして、②OCTで得られた不安定プラークの特徴を検出できる新規血中バイオマーカーの探索を行うことである。 現在、心臓カテーテル治療が行われた患者の動脈硬化性プラークの特徴については、OCT画像を用いて解析中であり、また、慢性期予後をフォローアップしている。慢性期予後のフォローアップ方法に関しては、循環器内科の外来受診時に、胸痛の有無を確認し、心電図や、必要に応じて、心筋シンチ、トレッドミル検査などの虚血評価を行い、新規の虚血イベントが生じないか、慎重に経過観察を行っている。また、OCT画像の撮像と同時に血中バイオマーカーを測定しており、これらの測定値と不安定プラークの特徴との関連性を検討中である。 本研究により、不安定プラークをより鋭敏に反映する血中バイオマーカーを確実に検出・同定することができれば、動脈硬化の進行や治療効果の予測などにも応用可能となると考えている。
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