2019 Fiscal Year Research-status Report
ネクロプトーシスを標的とした慢性肝不全急性増悪の病態解明と革新的治療法の創出
Project/Area Number |
19K23938
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 孝行 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80845090)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | ACLF / ネクロプトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性肝不全急性増悪(ACLF)の病態解明を目的として、まずは臨床検体を用いてACLFにおけるネクロプトーシスの役割を検証する目的で実験を行った。
日本のACLFの患者数は少なく、十分な症例数の確保が困難だったため、University College of London (UCL)の協力のもとに106名の非代償化イベントをきたした肝硬変患者の血清を用いてネクロプトーシスの経路の中心的役割と考えられるRIPK1,RIPK3,MLKLの中でRIPK3に着目してELISAを用いて測定を行った。結果として血清のRIPK3はACLF患者と非ACLF患者で有意な差がみられた。また28日後及び90日後の死亡と血清RIPK3の値がよく相関していた。また入院時ACLFでなかった患者が後にACLFへと進展する際のマーカーとしても有効であった。以上のようにACLFと血清のRIPK3が相関する可能性が示されたため、血清RIPK3のバイオマーカーとしての有効性があるものと期待されている。この結果の検証のために異なるコホートの血清を使うことを現在UCLと協議している。また臨床で得られた肝組織を用いてRIPK1,RIPK3,MLKLの免疫染色も予定している。
現在はACLFモデルのラット(胆管結紮術+リポポリサッカライド投与モデル)およびマウス(四塩化炭素+ガラクトサミン投与モデル)を用いてネクロプトーシスの役割の検証をしている最中である。また同時に肝細胞を用いてネクロプトーシスの役割を検証する実験も行っているが、実験結果について検証をしている最中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始から半年程度であるが、臨床検体でのRIPK3の測定をほぼ終了しており、臨床情報の解析も進んでいる。また動物実験もある程度順調に進んでおり、おおむね順調と考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
血清のバイオマーカーとしてのRIPK3の有用性を検証するために異なるコホートの血清を使うことを現在UCLと協議している。また肝組織を用いてRIPK1,RIPK3,MLKLの免疫染色も予定している。 現在はACLFモデルのラット(胆管結紮術+リポポリサッカライド投与モデル)およびマウス(四塩化炭素+ガラクトサミン投与モデル)を用いてネクロプトーシスの役割の検証をしている最中である。また同時に肝細胞を用いてネクロプトーシスの役割を検証する実験も行っているが、実験結果について検証をしている最中である。
|
Causes of Carryover |
動物実験の検証や細胞を用いた実験に少し遅れが出たため
動物実験の検証のための消耗品と細胞実験を再検証し行う実験に必要な消耗品の購入に費用は充てる計画である。
|