2020 Fiscal Year Annual Research Report
microRNAに着目した川崎病冠動脈瘤における血管微小粒子の役割解明と新薬開発
Project/Area Number |
19K23940
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
仲岡 英幸 富山大学, 附属病院, 診療助手 (30725784)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 川崎病冠動脈瘤 / microRNA / 血管微小粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室では、難治性川崎病患者において血管新生因子(VEGF: vascular endothelial growth factor)が血清/血漿中に有意に上昇し、血管内皮細胞への免疫染色法で強発現することを報告してきた。さらに川崎病急性期において単核球内のmicroRNA-93がこのVEGF遺伝子発現を抑制することを発見した。また、電子顕微鏡でマウスの血管炎モデルにおいてEMPsが血管内皮細胞から多量に遊離/放出されることを確認している。そこで川崎病の病態が全身の血管炎であることから血管内皮細胞傷害時に遊離されるEMPsとの関連性に着目し、EMPs内に内在する遺伝子発現を調整するmicroRNAが他の細胞間での情報伝達を担い、川崎病急性期における血管炎に重要な役割を果たしているのでないかという着想に至った。そこで我々は、川崎病の病態が全身の血管炎であることから川崎病急性期のEMPsが有熱性疾患と比較して有意に上昇(p<0.0001)するだけでなく、川崎病患者のうち後遺症を残さなかった患者(Non-CAL群)のEMPsは治療直後に正常化するのに対して、CAL形成患者(CAL群)のEMPsは治療後も上昇し続けること(p<0.001)を見出した。さらにCAL群とNon-CAL群の2群において治療前/治療直後/回復期の3期のEMPsから抽出したRNAを用い、Affymetrix® GeneChip® miRNA 4.0によるmicroarrayを施行し、in silico解析を加えCAL群に特異的な2種類のmicroRNA(microRNA-145-5p, microRNA-320a)を同定した。そしてヒト単球/マクロファージ細胞にてmicroRNA-320aがTNF-αをmicroRNA-145-5pがIL-6を有意に上昇させることを証明した。
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Research Products
(1 results)