2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K23963
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲住 英明 京都大学, 医学研究科, 医員 (10844037)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は、これまで心血管病において注目されていなかった抑制性 G タンパク Gαo の心不全発症・進展における病態生理学的意義を明らかにし、Gαo の新規心不全治療標的としての可能性を示すことである。
当該年度では昨年に作成した心筋特異的Gαoトランスジェニックマウスの解析を行った。 心筋特異的Gαoトランスジェニックマウスは若年では左室壁の肥大を認めるものの左室収縮能は保たれていた。しかし特に負荷をかけなくとも加齢とともに左室拡張末期径の拡大、左室収縮能の低下を認めた。また若年マウスの心室筋のmRNAやタンパク発現の解析や心室筋細胞の電気生理学的な解析の結果、まだ左室収縮能が落ちていない段階で、すでに心不全進展に特徴的な遺伝子発現の異常やL型Caチャネル電流の局在の異常を認めた。またカルシニューリンーNFAT系の亢進や、Ca2+,カルモジュリン,CaMKⅡ系の亢進を認めたことから心筋におけるGαoの発現上昇が1次的に心筋内のCa2恒常性を破綻させ病的心筋リモデリングや心不全進展に関与していることが示された。 また公表されているデータベースで、ヒト心不全患者の心室筋細胞でもGαoの発現が亢進していることを新たに確認した。 前年度までの研究結果から様々な心不全モデルマウスの心室筋でGαo の発現が上昇しており、その発現を抑制することで左室収縮能の低下や心室性不整脈の増加といった心不全の表現型が改善することを示しており、上記研究結果を踏まえると高齢化により増加している心不全患者に対する新規治療標的としてのGαoの可能性がより高まった。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] NRSF-GNAO1-CaMK2 axis exacerbates cardiac remodeling and progresses heart failure by impairing Ca2+ homeostasis2020
Author(s)
Hideaki Inazumi, Yoshihiro Kuwabara, Koichiro Kuwahara, Yasuaki Nakagawa, Hideyuki Kinoshita, Kenji Moriuchi, Hiromu Yanagisawa, Toshio Nishikimi, Miku Oya, Mitsuhiko Yamada, Toshihide Kashihara, Nagomi Kurebayashi, Masami Sugihara, Kazuwa Nakao , Takeshi Kimura
Organizer
European Society of Cardiology (ESC)