2021 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞での脂肪毒性に関わるABCA1発現制御機構の解明
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19K23970
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 誠祐 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50843504)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | ABCA1 / 膵β細胞 / 脂肪毒性 / 2ME |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究開始当初の背景】我々はこれまで、細胞内からコレステロールをHDL粒子へ転送するATP-binding cassette transporter-1(ABCA1)遺伝子の解析及び、新規転写因子prolactin regulatory element binding(PREB)が、様々な生活習慣病に関連する遺伝子発現調節に関わってきていることを報告してきた。 【研究の目的】膵臓に発現するABCA1遺伝子の調節する因子の検索と細胞における脂肪蓄積のメカニズムを明らかし、ABCA1遺伝子を特異的に活性化する新規の化合物を探索することで、膵β細胞のインスリン分泌能の改善を目指した。 【研究の方法】ABCA1遺伝子発現を培養細胞を用いて、realtime PCR・western blot・promoter assayなどで検討した。様々なkinase inhibitor・expression vector・siRNA法などで遺伝子発現に関与すると考えられる細胞内伝達系や転写因子の解明にあたった。これまでの研究の成果をもとにエストラジールの代謝産物である2-Methoxyestradiol(2ME)がABCA1発現に影響を与えている可能性を考え、2MEを用いて膵β細胞に対する影響について調べることとした。 【達成状況】2MEが肝細胞の培養細胞であるHepG2細胞のABCA1発現を増加させることが分かった。また、2MEはHepG2細胞内の脂肪滴を減少させた。この2ME によるABCA1発現増加作用はPI3K inhibitorにより抑制され、PI3Kの下流にあるAkt及びp110の発現増加により誘導されることから、PI3/Ak経路が関与していると考えられた。また転写因子FoxO1がこの経路に関与していることも突き止めた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] AGEs inhibit scavenger receptor class B type I gene expression via Smad1 in HUVECs2021
Author(s)
Hiromi Nagata, Jingya Lyu, Hitomi Imachi, Kensaku Fukunaga, Seisuke Sato, Toshihiro Kobayashi, Takanobu Saheki, Kayoko Seo, Japar B Salimah, Hisakazu Iwama, Ryuichi Sakamoto, Yoshihiro Ogawa, Koji Murao
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Journal Title
J Mol Endocrinol
Volume: Mar;66(3)
Pages: 223-231
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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