2020 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系における受容体結合性因子の病態生理学的意義
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19K23974
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
金口 翔 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30846986)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / レニンーアンジオテンシン系 / ATRAP / 高血圧 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
レニン-アンジオテンシン系(R-A系)が認知機能障害にも関与している可能性がある。そして、1型アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)結合性低分子蛋白(AT1 receptor-associated protein; ATRAP)は,『AT1受容体情報伝達系の病的刺激による過剰活性化に拮抗する内在性抑制分子』として認知機能低下を改善させる可能性がある。 認知症の主な原因として,アルツハイマー病や脳血管性認知症があげられるが,近年,糖尿病や高血圧などの生活習慣病を有する人は認知機能の低下を招きやすいことが明らかにされている. 我々は、近位尿細管特異的ATRAP欠損マウスを作成し、慢性Ang II投与によるアンジオテンシン依存性高血圧モデルで検討した結果、近位尿細管ATRAPがアンジオテンシン依存性高血圧に及ぼす影響は小さいことを報告した(J Am Heart Assoc. 8(8):e012395, 2019)。 また、近年、経口血糖降下薬として開発されたSGLT2阻害薬を用いて、臨床研究を行い、SGLT2阻害薬が家庭血圧に及ぼす影響について報告した(Cardiovasc Diabetol. 18(1):110, 2019; Sci Rep. 11(1):951, 2021)。 現在,高血圧モデルにおける中枢神経でのR-A系の発現調節およびATRAPの病態生理学的意義について検討している。
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Research Products
(2 results)