2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of quantitative markers and MRI-based understanding of speech disorder in neurodegenerative diseases
Project/Area Number |
19K23975
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
齊藤 麻美 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (70851781)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 発語失行 / 失調性構音障害 / 発話障害 / 音響解析 / 構造的脳MRI / 拡散MRI / 脳画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、音響解析と脳MRIを用いた脳白質・灰白質の定量解析を組み合わせることで、神経変性疾患における発話障害のメカニズムの解明、発話評価に役立つ客観的指標の確立、臨床応用を目指すことである。 令和4年度、脊髄小脳変性症の失調性構音障害と進行性非流暢性失語症の主徴候である発語失行の鑑別に主眼を置いた。両者は臨床的に聴いて区別することが難しいことが知られている。 脊髄小脳変性症40症例と進行性非流暢性失語症6症例、健常者18症例から、発話サンプル(”この畳の部屋は弟と友達とで建てた物です”の復唱音読)を取得し、音響解析ソフトウェアであるopenSMILEを用いて解析を行った。89個の特徴量を算出し、これらについて3群間で統計学的に検討した。その結果、openSMILEから算出される21個の特徴量で有意差があり、進行性非流暢性失語症の発語失行では、脊髄小脳変性症の失調性構音障害に比べて、音の途切れが多く、途切れの長さに一貫性がなく、発話速度が遅いということが明らかとなった。 今後は、前年度までに取得したパーキンソン病、大脳皮質基底核変性症、筋萎縮性側索硬化症などの発話サンプルについてもopenSMILEを用いて解析し特徴量を算出したい。また同時に行っている構造的脳MRIについても解析を進め、FreeSurferによる灰白質・白質の体積測定やFSL、MRtrixによる拡散テンソルイメージング解析を行い、これらとopenSMILEから算出された各疾患の発話の特徴量についての関連を統計学的に検討したい。
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