2019 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームRNA/タンパク質での抗PD-1/PD-L1抗体のバイオマーカー開発
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19K23978
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宿谷 威仁 順天堂大学, 医学部, 助教 (90529174)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 肺癌 / 血漿 / バイオマーカー / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍に対する免疫を賦活化する免疫チェックポイント阻害薬の一つである、抗PD-1/PD-L1抗体は、奏効すれば長期に癌の進行を抑制しうる画期的な薬剤である。一方で、薬価が高額であることからも、効果を投与前や治療後早期に正確に予測するバイオマーカーの開発が期待されている。我々は、径20-200nmの細胞外に分泌される小胞で、mRNA、microRNA、タンパク質などを内包し細胞間情報伝達機構を有するエクソソームに着目し、本研究を計画した。エクソソーム内のmRNA、microRNA、タンパク質を解析することで、より正確で非侵襲的な抗PD-1/PD-L1抗体のバイオマーカーを開発することを目指している。 現在、研究に用いる患者検体を収集している。抗PD-1/PD-L1抗体で治療された進行非小細胞肺癌患者の血漿検体と抗PD-1/PD-L1抗体+プラチナ製剤+第三世代抗がん剤で治療された患者の血漿検体を一定数集めることができている。 検体解析のための研究計画書を作成し、所属施設の倫理委員会で承認された。今後、研究協力施設と共同で解析方法をさらに進化させ、順次、検体解析を行う予定である。 また、最終的なデータ解析に必要な、患者背景(年齢、性別、組織型、病期、performance statusなど)、治療内容、治療に対する効果、無増悪生存期間、生存期間、有害事象などの患者データを個人情報に留意し匿名化した上で収集しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「研究実績の概要」に記載したとおり、これから、順次、検体解析を行う予定である。 引き続き患者検体を集積し、得られた結果をvalidateする予定である。 さらに、患者背景(年齢、性別、組織型、病期、performance statusなど)、治療内容、治療に対する効果、無増悪生存期間、生存期間、有害事象などのデータを用いて、検体解析の結果と多変量解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年はデータの収集が主であったため、解析に充てる研究費に残額が生じた。次年度はその残額を解析費用に充てたい。
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