2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the molecular mechanism of immobilization-induced muscle atrophy
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19K23998
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平田 悠 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70846352)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 不動化性筋萎縮 / KLF15 / C/EBP |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画①「不動化による筋萎縮におけるKLF15の発現制御機構の解明」については、不動化性筋萎縮におけるKLF15の上流の制御因子を探索し、in silico解析によりKLF15のプロモーター領域に転写因子C/EBPの結合配列を同定した。不動化モデルマウスの骨格筋ではC/EBPβおよびδのmRNAレベルでの発現が増加し、C2C12筋管細胞においてsiRNAによりC/EBPβまたはδをノックダウンすると、KLF15の遺伝子発現が低下した。また、ルシフェラーゼアッセイにおいて、KLF15のプロモーター活性は、C/EBPの結合配列を有する場合にはC/EBPβおよびδによって増加するが、結合配列の欠損体や変異体では増加しないことを確認した。 研究計画②「不動化による筋萎縮におけるKLF15の新規な標的因子の探索」については、野生型マウスおよび骨格筋特異的KLF15欠損マウスの、それぞれ不動化処置有りまたは無しの4群で、骨格筋におけるDNAマイクロアレイ解析を行い、特に液性因子や分泌因子に絞って候補遺伝子を抽出した。また、骨折治療によるギプス固定で骨格筋の萎縮をきたした患者の骨格筋生検試料を解析した結果、KLF15とC/EBPβおよびδ、筋萎縮関連遺伝子の発現量に強い正の相関があることを見出した。そこで、先述の候補遺伝子のなかで、ヒト骨格筋生検試料において筋萎縮関連遺伝子と強い相関を示す遺伝子へとさらに絞り込みを行い、マウス及びヒトで不動化時に共通して増加する液性因子を複数見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画①については、KLF15の上流の制御因子としてC/EBPβおよびδの関与を明らかとし、骨格筋特異的C/EBPβ欠損マウス、全身性C/EBPδ欠損マウス、および全身性C/EBPδ欠損かつ骨格筋特異的C/EBPβ欠損マウスの作成を開始している。 研究計画②については、KLF15の新規な標的因子を複数見出し、次年度に向けて候補遺伝子の欠損マウスの作成や中和抗体を用いた実験の準備を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画①については、上記の各種C/EBP欠損マウスの定常状態での表現型を解析するとともに、不動化による筋量減少に対してこれらのマウスが抵抗性を示すか否かを明らかとする。 研究計画②については、候補遺伝子の欠損マウスの解析や中和抗体の投与によるloss-of-functionの実験を行い、その病理的意義の解明を目指す。ヒト骨格筋生検試料については、さらに症例数を増加させて解析を進めるとともに、筋萎縮からの回復後に筋生検を行い、萎縮時と非萎縮時の骨格筋生検試料を得て、KLF15および候補遺伝子の発現量を比較することにより、筋萎縮における重要性をヒトにおいても検証する。
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Causes of Carryover |
当初の予定より実験動物の使用匹数が少なく済んだため繰越金額が生じた。次年度使用額は再現性を確認するために当初の予定通りの実験動物飼育費、および消耗品購入費用に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)