2020 Fiscal Year Annual Research Report
便プロテオーム解析を用いた小児外科疾患の原因解明と新規治療法の探索
Project/Area Number |
19K24007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 栄一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40623327)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 便 / プロテオーム / 腸内細菌 / 胆道閉鎖症 / 腸瘻 / 短腸症候群 / 胎便 / リンパ管腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、網羅的タンパク解析技術(以下、プロテオーム解析)を用いて、ヒト便中に存在するタンパク質を網羅的に検索し、小児外科医が対峙する小児希少難病の病因解明と新しいバイオマーカーの探索さらには新規治療法の開発を目指すトランスレーショナルリサーチである。 まず、かずさDNA研究所と共同して、Data-independent acquisition mass spectrometry(DIA)ベースのプロテオーム解析の構築に成功し、これを便解析に応用することで、DIAベースの便プロテオーム解析の構築にも成功した。 胆道閉鎖症(BA)は、早期診断と早期治療が患児予後と直結する小児外科疾患であるが、有用な診断バイオマーカーはなく、診断には難渋する。そこで、新たに構築したDIAベースの便プロテオーム解析を用いて、BAの早期診断バイオマーカーの探索を開始し、BAの早期診断バイオマーカー候補となる便中のタンパク質を同定し、国際誌(proteomes)に 、成果を発表することができた。また、小腸瘻肛門側腸管への腸液注入は、遠位側腸管の腸管順応を促進することが知られているが、未だ詳細は不明である。そこで、小腸瘻閉鎖前の小腸瘻排液(小腸液)および小腸瘻閉鎖後の便(便)をプロテオーム解析で分析し、小腸液および小腸瘻閉鎖のに含まれるヒトタンパク質の検討を行なった。その結果、小腸液にはタンパク質分解および免疫応答に関連するタンパク質が多く存在し、小腸液の遠位側腸管への注入は、タンパク質消化に寄与するだけではなく、遠位側腸管の免疫力向上に寄与する可能性が示唆された。 また、短調症候群罹患児の腸管リハビリテーション過程における便中ヒトタンパク質研究を開始し研究会で報告した。更に、胎便ヒトタンパク質プロファイル作成の為、未熟児を含めた合計230の胎便解析を行う準備が整っている。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Discovery of Candidate Stool Biomarker Proteins for Biliary Atresia Using Proteome Analysis by Data-Independent Acquisition Mass Spectrometry2020
Author(s)
Watanabe E, Kawashima Y, Suda W, Kakihra T, Takazawa S, Nakajima D, Nakamura R, Nishi A, Suzuki K, Ohara O, Fujishiro J
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Journal Title
proteomes
Volume: 8(4)
Pages: 36
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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