2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of target molecule for immunotherapy focusing on natural immuno-system of circulating tumor cell
Project/Area Number |
19K24009
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
奥野 将之 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10844011)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 循環腫瘍細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまず、転移性大腸癌患者からフィルター法により術中および術後に循環腫瘍細胞採取を行い、手術による循環腫瘍細胞検出数の変化、術後の適切な採取時期の検討を行うことを計画した。当初は市販のフィルター法での循環腫瘍細胞採取キットを用いて循環腫瘍細胞分離の確実性を評価したが、想定よりもリンパ球の混入が多く、循環腫瘍細胞の分離・回収が上手く出来なかった。よって他の市販フィルターきっとへの変更など、条件を変更して循環腫瘍細胞の分離を試みた。術前の血液サンプルからは循環腫瘍細胞と思われる細胞が分離可能であった。しかしながら術後においては腫瘍組織の減少によって循環腫瘍細胞が減少すると思われ、解析可能な循環腫瘍細胞の回収に至らなかった。よって転移性大腸癌患者の術前の循環腫瘍細胞のみを回収し、RNAシークエンスなどの解析を行った。腫瘍条件や予後、術前化学療法の有無等で層別化を行い比較検討したが、遺伝子発現などに有意差は認められなかった。当初の目的である術後の循環腫瘍細胞回収が課題であることから今後少量の循環腫瘍細胞でも回収可能な手法について検討し、さらなる研究に繋げていく予定である。 また、並行して行った転移先臓器の微小環境が循環腫瘍細胞の接着に与える影響についての検討では、ラットに薬剤起因性sinusoidal obstruction syndromeを惹起すると大腸癌転移モデルにおいて転移が促進されることが見出された。血行性転移には臓器の微小環境が影響していおり、これは血管内皮障害が関連していることが明らかとなった。この結果は学術誌に報告した。
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