2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K24019
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
宮内 智之 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 研究員 (10852303)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 肝虚血再灌流障害 / イヌリン / 短鎖脂肪酸 / 制御性T細胞 / 肝臓外科 / 肝移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水溶性食物繊維であるイヌリンを一定期間経口摂取することが、肝虚血再灌流障害の予防・軽減に有用であるかを評価し、そのメカニズムを明らかにすることを目的としている。イヌリン経口摂取による生体内の変化としては、腸内有機酸濃度上昇、それに伴う免疫細胞への影響などが考えられているが、これらの変化が肝虚血再灌流障害に及ぼす作用についても検証したいと考えている。 (1)イヌリン配合飼料摂取による体重変化をコントロール飼料摂取群と比較した。(2)イヌリン配合飼料摂取による肝虚血再灌流障害軽減の検証を行なった。コントロール飼料もしくはイヌリン配合飼料を各々一定期間摂取させた野生型(C57BL/6)マウスに対し、すでに確立している温虚血再灌流障害モデルを作成し、血液および肝組織サンプルを採取した。得られたサンプルを用いて血中肝機能測定および肝組織学的検討を行ない、イヌリン配合飼料摂取による肝虚血再灌流障害に対する軽減効果を確認した。(3)イヌリン配合飼料摂取による腸内有機酸(コハク酸、ギ酸、プロピオン酸、n酪酸)濃度の変化の検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イヌリン摂取群において再現性をもって肝虚血再灌流障害抑制効果が確認されており、メカニズム解析についても仮説を裏付ける結果が出始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、イヌリン配合飼料摂取群における腸内細菌叢の変化を検討し、腸内有機酸産生に与える影響を再確認する。また、産生された有機酸が免疫細胞に与える影響を制御性T細胞に着目して検証する。 腸管内で産生された有機酸が体内に吸収された場合、まず到達するのは門脈を経由した肝臓であると考えられ、マウス門脈血中の有機酸濃度の評価を検討したい。 コントロール飼料群及びイヌリン配合飼料群それぞれにおいて、肝虚血再灌流障害を引き起こした肝組織中の各種タンパクの発現や炎症性サイトカインの産生について、ウエスタンブロッティングやPCRにて評価を行うことを考えている。
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Causes of Carryover |
本研究はマウスに一定期間(週単位)イヌリン配合飼料を摂取させる必要があり、モデル作成に時間を要するため、翌年度使用額が生じることになった。
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